ひと皿から、少し遠くへ。Recipes, people & good things.
セモリナと水のそばに乾燥スパゲッティを用意する。

食材

グラニャーノIGPのパスタとは?産地表示と製法を読み解く

Pasta di Gragnano IGPの現行規約から、生産区域、原料、水、ブロンズ成形、乾燥、表示を具体的に読み解くガイドです。

公開 PASTAFONIA編集部
目次
  1. IGPが示す範囲
  2. 製法に関する条件
  3. 小麦の産地との違い
  4. 商品を選ぶ時の見方

グラニャーノIGPは、イタリアの町名を使った雰囲気のある商品名ではなく、「Pasta di Gragnano」という地理的表示に適用される現行規約です。規約には、生産・包装の場所、セモリナと水、ブロンズ成形、乾燥、製品の水分、ラベルが書かれています。買う時はロゴだけで判断せず、何が制度の条件で、何が袋ごとの調理情報かを分けて読みます。

セモリナと水のそばで乾燥パスタを手に取る。

IGPが示す範囲

保護コンソーシアムの現行規約は、Pasta di Gragnano IGPの生産区域と包装区域を、ナポリ県のグラニャーノ市全域としています(Disciplinare di Produzione)。名称は、規約の条件に適合するパスタに限って使われます。したがって、商品名にGragnanoらしい言葉があるだけでIGPとは言えません。

詳しい解説を読む
規約で定める項目現行の内容買う時の確認方法
生産・包装区域ナポリ県グラニャーノ市の全域製造者表示・商品説明を確認する
主原料デュラム小麦セモリナと地域の地下水IGP規約の条件として読む
成形ブロンズ製のダイスのみ表面の粗さを含む規約上の特徴として読む
製品水分完成品で12.5%以下家庭で測る値ではなく製品要件
表示名称、IGP/Indicazione Geografica Protetta、製造者住所、ロゴ袋の正面・裏面で確認する

この表のうち、家庭で直接決めるのは最後の表示確認と、麺型・標準時間です。水分12.5%以下やタンパク質の最低値は、品質を褒める形容ではなく規約に載る製品要件です。袋の標準ゆで時間は、形によって別に印刷されるため、IGPという文字から推測しません。

表面の質感が見えるスパゲッティを湯から上げる。

製法に関する条件

現行規約では、デュラム小麦セモリナを地域の地下水と混ぜ、加える水は30%以下です。続く押出・成形はブロンズ製ダイスのみで行い、形と表面を作ります。コンソーシアムの工程ページも、ブロンズのダイスが麺に粗い表面を与えると説明しています(製品と工程)。これは「ブロンズらしい見た目」という任意の宣伝ではなく、IGP規約の成形条件です。

詳しい解説を読む

乾燥は形状ごとに40〜85℃、4〜60時間の範囲で行われます。この範囲は全商品を同じ温度・時間に固定する値ではありません。細いロング麺、太い筒状麺、短い形では、乾燥の設定が異なる前提の規約です。以前の資料にある40〜80℃・6〜60時間は旧い条件で、現在の規約としては使いません(EUR-Lexの仕様変更)。

成形や乾燥の数値から、家庭での茹で時間を計算することはできません。麺をゆでる時は、IGP表示と別に、手元の袋の標準時間を読みます。規約は商品の成立条件、袋の分数は今夜の鍋を動かす条件です。

ロング麺と筒状パスタの形を料理用に選ぶ。

小麦の産地との違い

IGP規約が示すのは、Pasta di Gragnanoを作るためのデュラム小麦セモリナと地域の地下水、グラニャーノ市内の生産・包装です。「小麦がどの国のどの畑で栽培されたか」を知りたい場合は、IGPロゴだけでは足りません。袋の原材料、原産国表示、またはメーカーの個別商品説明を確認します。

詳しい解説を読む
知りたいこと読む場所混同しないこと
IGPの対象か名称・IGP表示・指定ロゴブランド名だけで断定しない
どの麺型か商品名・形の写真・標準時間IGPなら全形状が同じとは考えない
小麦について商品が何と表示するか原材料欄・メーカーの個別説明IGPロゴから栽培地まで推測しない
家で何分ゆでるか手元の袋乾燥範囲から逆算しない

この整理をすると、産地表示を軽視せずに、商品選びにも使えます。例えばIGP表示のスパゲッティを買うなら、ロゴを確認した後に、太さと10分前後などの表示時間を見ます。IGP表示のリガトーニなら、筒の大きさ、標準時間、ラグーや焼き料理へ使うかを別に決めます。

リガトーニを肉入りトマトソースで和える。

商品を選ぶ時の見方

売り場では、先に作る皿を決めます。あさりの煮汁やトマトを短く和えるならロング麺、肉のラグーや焼き料理なら筒状、野菜を散らすならねじれたショート麺というように形から候補を絞ります。次に候補の袋で「Pasta di Gragnano」「IGP」、製造者住所、指定ロゴを確認し、最後にゆで時間と内容量を見ます。この順なら、IGPという制度と一皿の段取りをどちらも取りこぼしません。

詳しい解説を読む

調理時は、袋の表示時間の1〜2分前に一本を味見し、フライパンで和えるなら少し抵抗が残る段階で移します。あさりは先に開かせて取り出し、麺と煮汁を和えた後に戻します。ラグーはソースを少し緩めに保ち、太い麺を入れた後は煮込み過ぎません。IGPだから特別な火加減にするのではなく、形・表示時間・ソースの三つを合わせます。

Pasta di Gragnano IGPを選ぶ価値は、地名を知ることだけではありません。セモリナと地域の水、ブロンズ成形、40〜85℃・4〜60時間の乾燥、表示要件という具体的な条件を読み、その上で今日必要な麺型を選べることです。規約と袋の情報を別々に扱えば、表示を正しく尊重しながら家庭の料理にも使えます。

IGPの表示を実物で読む時は、まず正面に「Pasta di Gragnano」とIGPまたはIndicazione Geografica Protettaがあるかを見ます。次に製造者の住所と指定ロゴを確認し、最後に裏面の原材料と標準ゆで時間を読みます。ロゴだけを見て小麦の栽培地、形、太さ、家庭での茹で時間まで推測しない順番です。

調理の例では、IGP表示のスパゲッティをあさりの煮汁と和えるなら、貝を先に開かせて取り出し、麺と煮汁を短く和えてから戻します。IGP表示のリガトーニをラグーで使うなら、ソースを少し緩めに保ち、袋の時間の前から味見します。制度上の共通条件があるからといって、細い形と太い形を同じ分数で扱わないことが実用上の要点です。

規約を読む目的は、家庭で水分12.5%や乾燥温度を測ることではありません。どの表示が制度に基づくかを知り、買った一袋では形と時間を読むことです。こうして分けると、グラニャーノという地名が、売り場の雰囲気ではなく、確認できる情報になります。

出典

  1. Consorzio della Pasta di Gragnano:Disciplinare di Produzione
  2. Consorzio della Pasta di Gragnano:製品と工程
  3. EUR-Lex:Pasta di Gragnano IGP仕様変更

乾麺グラニャーノIGPIGPブロンズダイスイタリア

隣の蘊蓄

食材

乾燥は8〜10日から2〜3時間になった:デュラム小麦とブロンズダイスと、乾麺の100年

イタリアの法律は「pasta di semola di grano duro」の名乗りを、デュラム小麦のセモリナと水だけに限る。グラニャーノIGPは乾燥を40〜85°C・4〜60時間で縛る。日本のJASは7,840kPa以上で押し出せと書く。番手・ダイス・乾燥温度という3つの変数が、皿の上でソースが絡むかどうかを決めている。