イカスミパスタが塩辛い、魚介の香りが重い、黒いソースが鍋に余る。この三つは同じ「強すぎる」に見えますが、手当ては別です。最初に塩を増やしたり、トマトを多く入れたりすると、どこが変わったのか分からなくなります。麺、鍋底のソース、魚介を別々に味見し、足すものを決めます。

塩辛さと濃度を、麺と鍋底で見る
まず麺を一本食べ、次に鍋底のソースをスプーンで少量味見します。麺まで塩辛いなら、スミや魚介の煮汁を追加せず、無塩の湯か水を少量使って麺量との釣り合いを戻します。鍋底だけが濃いなら、ソースを全部使い切ろうとせず、麺を和えた時に必要な分だけ残します。
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| 見えている状態 | 先にすること | 足さないもの |
|---|---|---|
| 鍋底に黒い液体が多い | トングで麺を数回和え、濃度を見て余りは鍋に残す | 茹で汁、追加のスミ |
| 麺が乾き、色がまだら | 無塩の湯または水を少量加え、鍋を振って麺へ渡す | 塩、煮汁 |
| 麺も鍋底も塩辛い | 新しい塩を止め、無塩の水分と追加の麺で薄める | 塩入りの茹で汁、煮汁 |
| 色だけが薄い | 水でのばしたスミを少量ずつ加える | 乾いたスミの追加 |
市販のソースを使う時は、袋の栄養成分表示にある食塩相当量を先に読みます。S&B「予約でいっぱいの店のイカスミソース」は、120g当たり食塩相当量2.8gと表示されています(S&Bの商品情報)。家庭では、ソースの一部を先に鍋へ入れて麺と和え、味とつやを見ます。足りない時だけ残りを使い、余ったソースは鍋に残します。これは製品表示の手順ではなく、塩味の強いソースを一度に使い切らないための家庭での進め方です。
BarillaのChef Lorenzo Boniの公開レシピでは、イカスミを茹で汁で先にのばし、早めに上げたパスタを鍋で和えます(Barillaの手順)。黒い液体を先に均一にしてから、麺へ付く量を決めると、色と塩味を一緒に確認できます。
鍋へ移す前に、小さな器でソースと無塩の湯をスプーン一杯分だけ混ぜてみる方法もあります。だまがなくつやが出れば鍋に入れ、塩味がすでに強ければその器の中でさらに無塩の水分を足します。麺のゆで上がりを待っている間に味の方向を決めておくと、鍋の中でソースを煮詰めすぎません。

イカの身は短く火を入れ、スミは後で加える
生のイカを使うなら、にんにくを香らせた油で身をさっと火にかけ、表面が白くなって反り始めたらいったん取り出します。鍋に長く置くと、身が締まり、出た水分でソースが薄まります。イカの火入れを終えてから、のばしたスミと麺を鍋へ入れると、鍋の中ではソースの濃度だけを見られます。
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イカの香りは、火を通した時に立つ海の香りと、傷みが疑われる異臭を分けて考えます。前者が強く感じるだけなら、身をいったん取り出し、鍋の油でにんにくを香らせ、白ワインを少量煮切ってからスミと麺を和えます。トマトは酸味を足したい時に最後に加えます。アンモニアのような刺激臭や、購入時から不自然な臭いがある魚介は、にんにく、ワイン、レモンで隠さず使用をやめてください。
あさりやムール貝の蒸し汁を加える時も同じです。開いた貝を先に別の器へ移し、蒸し汁を細かいこし器でこします。最初は大さじ一杯ほどを鍋へ戻し、イカスミソースと麺を和えてから味を見ます。砂が残ることと塩味が急に上がることを防げます。貝汁を足した後に味が濃ければ、貝を戻す前に無塩の湯でソースをのばします。貝の身はすでに塩気を持つため、最後に戻してからもう一度塩を振る必要はほとんどありません。
Barillaの魚介入りの公開レシピも、海老を先に扱い、イカスミは茹で汁と合わせてから加え、別の魚介は火を止めてから重ねています(工程の確認)。家庭ではイカだけでも、身を先に取り出す順番があれば、火を入れすぎずに仕上げられます。

トマト、ワイン、にんにくは役割を一つずつ決める
にんにくは油に香りを移すため、白ワインは鍋底の旨味をのばすため、トマトは酸味と水分を加えるために使います。三つを同時に増やさず、何を変えたいかに合わせて一つを選びます。塩辛さには酸味だけでは解決にならず、黒いソースの量を減らすか、無塩の水分と麺量を調整します。
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トマトを使う時は、半分に切ったミニトマトを最後に温めると赤い色と瑞々しさが残ります。白ワインを使うなら、イカを取り出した直後の空いた鍋に少量を入れ、鍋底の旨味を溶かしてから煮詰めます。ワインの液体が半分ほどになったら、トマトかイカスミのどちらかを加えます。酸味、水分、塩味を同時に増やさないためです。ソースの水分にしたい時は、先に柔らかくしてからイカスミへ混ぜます。Barillaにはトマトを焼いていったん取り出し、スミとパスタを和えた後に戻す例があります(Barillaの別手順)。黒い麺に赤を残したい時は、このように加える場所を分けると扱いやすくなります。

乾いた麺は無塩の水分で戻し、塩は最後に決める
鍋を振っても麺がほぐれず、表面だけ黒くて乾いて見える時は、火を弱めます。無塩の湯か水を小さじから大さじほど加え、トングで麺を持ち上げてソースを絡めます。まだ乾くなら同じ量をもう一度使います。塩入りの茹で汁を続けて加えると、スミや魚介の塩気が強い鍋では塩味だけが上がります。
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反対に、鍋底に黒い液体が多く麺が泳ぐ時は、水分を足しません。最初に麺を半量だけ入れてトングで数回返し、ソースが麺に薄く付くかを見ます。まだ多ければ残りの麺を急いで入れず、取り分ける分だけ和えます。麺を少量ずつ鍋で和え、表面がつややかに覆われたところで取り分けます。余ったソースは無理に皿へ移さず、鍋に残します。完成直前に味を見て、必要な時だけ塩を少量使います。
黒さを強めたい時も、スミをそのまま入れず、少量の水分でなめらかにしてから足します。麺の表面に均一なつやがあり、イカの身が硬くならず、塩味が一口目で強すぎなければ仕上げです。