ひと皿から、少し遠くへ。Recipes, people & good things.

日本のシェフ

小倉知巳

Tomomi Ogura

ロジカル・プロ基準 「なぜそうするのか」を理屈で説明する指導型。ミシュラン一つ星を2017年から6年連続で獲得した店のロジックを、vol.形式で体系的に配信する。

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出典確認済チャンネル・動画・技法を出典で確認

小倉シェフのパスタから選ぶ

定番の代表動画と、材料・麺を変えるアレンジを料理別にまとめました。

カルボナーラ 卵・チーズ・豚の脂・黒胡椒だけでクリームを作る。分岐点は「卵の温度をどこで作るか」で、直火・湯煎・余熱の3流派に割れる。 ペペロンチーノ ニンニク・油・唐辛子・茹で汁だけ。材料が少ない分、乳化の可否がそのまま味になる。茹で汁の量と火の止めどきで流派が分かれる。 ジェノベーゼ・ペスト バジルのジェノベーゼを中心に、ナッツや葉野菜で作るペストを選べます。材料の違いは各レシピで確認してください。 アマトリチャーナ グアンチャーレの脂でトマトを煮る。脂を出す順番と、ペコリーノを入れるタイミングで味が変わる。 ボンゴレ あさりを使うボンゴレを、ビアンコとトマト入りのロッソから選べます。 カチョ・エ・ペペ ペコリーノと黒胡椒だけ。チーズをダマにせずクリームにする温度管理が全て。 ポモドーロ トマトソースのパスタ。缶の種類、煮る時間、油の量、バジルの入れ方で「同じ料理」が別物になる。 アラビアータ にんにく・唐辛子・トマトだけの『怒りんぼう』ソース。誕生年代には諸説あり(料理人ジョヴァンニ・コルテッレージが1900年代初頭にローマの店でスパゲッティとして出していたという説、アーダ・ボーニ『Il talismano della felicità』への収録〈伊語版Wikipediaは1927年版・RomaTodayは1929年版と表記〉、1950年の『Il cucchiaio d'argento』への掲載が併記される)。唐辛子を生か乾燥か・にんにくを丸ごと残すか刻むか・チーズを入れるか入れないかで流派が分かれる。 プッタネスカ アンチョビ・ケッパー・オリーブという保存食だけで仕上げる南イタリアの一皿。分岐点は「アンチョビをいつ・どう火に入れるか」と「オリーブ・ケッパーをソースの前に炒めるか後で加えるか」。 ノルマ 揚げた茄子とトマトソースを塩漬けの羊乳チーズで仕上げるカターニア発祥のシチリア料理。作曲家ベッリーニの歌劇『ノルマ』にちなむ名前の通り、茄子の切り方・揚げ油・トマトの漉し方・仕上げのチーズの種類でシェフごとの流儀が分かれる。 チーズのパスタ 複数のチーズを合わせる料理から、ゴルゴンゾーラやマカロニチーズまで。チーズの種類と麺の違いで選べます。 グリーチャ グアンチャーレ・ペコリーノ・黒胡椒だけ。カルボナーラから卵を、アマトリチャーナからトマトを抜いた「原型」とされ、乳化を直火で作るか湯煎か、パスタ水をどれだけ効かせるかで流派が分かれる。 レモンのパスタ レモンの皮と果汁で、チーズや脂を軽いクリーム状に乳化させるだけのシンプルな一皿。分岐点は「生クリームを使うか」と「乳化をバター・オリーブ油・カチョエペペ式のチーズ湯のどれで作るか」で、アマルフィの素朴な家庭料理から現代のリッチなアレンジまで幅がある。 イカスミのスパゲッティ イカを余さず使う漁師の知恵から生まれた、墨で黒く染めるパスタ。分岐点は「墨をイカから直接取るか市販ペーストに頼るか」と「トマトをどこまで効かせて墨の風味を守るか」。 ナポリタン 日本の喫茶店で育った太麺ケチャップパスタ。茹で置き、ケチャップの煮詰め、具材の順番で「あの味」に近づく。 たらこのパスタ たらこを使う基本のパスタと、辛みのある明太子のアレンジを選べます。 ミートソース 炒めた玉ねぎと合いびき肉を、甘みのある完熟トマトソースでまとめてスパゲッティにかける日本の洋食。麺とソースを別々に盛る親しみやすい一皿。 イワシのパスタ 生イワシ・フェンネル・レーズン・松の実・サフランを合わせるシチリアの魚介パスタ。仕上げのパン粉が乳製品代わりの『貧者のチーズ』を担う。分岐点はサフランと白ワインの有無、フェンネルの茹で汁をパスタの湯にそのまま使うかどうか。 トラーパニ風ペストパスタ トマト・アーモンド・バジル・ニンニクを生のまま乳鉢やミキサーですり潰す、火を使わないジェノベーゼの親戚(別名ペスト・ロッソ/パスタ・クッラッギア)。分岐点は『すり潰す道具(乳鉢かブレンダーか)』と『トマト・アーモンドを生のまま使うか、湯むき・ローストの下ごしらえを挟むか』。 アンチョビと玉ねぎのパスタ 玉ねぎとアンチョビ(または塩漬けイワシ)だけで作る、ヴェネト伝統のトマト不使用パスタ。肉を断つ「質素な日(giorni di magro)」の一皿として、ヴェネツィアのユダヤ人街で生まれたという伝承がある。麺のビゴリは全粒粉などを bigolaro(押し出し器)で押し出した太めの長パスタ。 バターのパスタ バターを使うパスタを、セージやトリュフなどの香りで選べます。香りの素材はレシピごとに異なります。 ボスカイオーラ きのことポルチーニをソーセージ、パンチェッタ、白ワイン、トマトで煮込み、カンパネッレに絡めるクリームなしの赤い仕立て。 スープ・煮込みパスタ スープパスタと、豆・野菜を煮込むパスタの入口です。スープの量や麺を煮る方法は各レシピで確認できます。 冷製パスタ トマトや明太子の冷製から、桃・さくらんぼを使う小倉シェフの動画まで。冷たいパスタを一つの入口にまとめました。 カラスミのパスタ にんにくとパセリで香りを移したオリーブ油にスパゲッティを絡め、ボッタルガとレモンの皮を重ねる。 カレッティエーラ 生のにんにく、唐辛子、油、ペコリーノ、パセリを熱い麺で一気につなぐ。 貧乏人のスパゲッティー 小倉シェフの公式動画で、材料と作り方を確認できます。 小倉知巳の公式動画 マリナーラ 小倉シェフの公式動画で、材料と作り方を確認できます。 小倉知巳の公式動画 ラグー・ビアンコ 小倉シェフの公式動画で、材料と作り方を確認できます。 小倉知巳の公式動画 アラ・パンナ 小倉シェフの公式動画で、材料と作り方を確認できます。 小倉知巳の公式動画 靴職人風パスタ 小倉シェフの公式動画で、材料と作り方を確認できます。 小倉知巳の公式動画 和風パスタ 醤油、梅、納豆、しらすなどを使う和風のアレンジを選べます。材料の違いから、作りたい一皿を探してください。 野菜のパスタ 野菜を主役にしたパスタを、季節の食材から選べます。炒める・煮る・ソースにするなど、扱い方は個別のレシピへ。

この人の技法の特徴

  • 感覚でなく理屈で調理過程を説明する指導スタイル
  • vol.形式で体系的・継続的に配信(2026年9月時点でvol.150超)
  • カルボナーラを季節食材(そら豆・ヤングコーン・ホワイトアスパラガス等)で展開する
  • プロ志望者向けの分量・段取りを家庭の器具に落とし込んで示す

工程を比べられるレシピ

小倉知巳が紹介・使用する道具と食材

まとめて買い物メモに溜められます

紐付けの根拠は各カードの紹介・使用情報と、本人の動画・発信です。「出典未確認」のものは編集部の推定を含みます。本人の推薦・提携ではありません。

小倉知巳の蘊蓄

食材

日本の規格に「エキストラバージン」という等級は存在しない

IOCは遊離酸度0.8%以下と官能パネルでエキストラバージンを定義する。一方、日本のJAS 0523:2024にあるのは「オリーブ油」と「精製オリーブ油」の2区分だけだ。発煙点をめぐる誤解、喉を刺すオレオカンタール、品種が決める辛味の幅、そして乳化。本稿で比較する既存30皿のうち22皿に入っている油を、規格・科学・レシピの三方向から追う。

食材

なぜ材料表にオリーブオイルが2回出てくるのか

リュウジの至高のアーリオオーリオは、材料表のオリーブオイルを1本目と「仕上げの際に追加で」の2本に分けて、同じ大さじ1ずつを2回書いている。加熱するかしないかで役割が変わるからだと考えられる。仕上げ用の選び方を整理する。

食材

モッツァレラは0mg、48ヶ月のパルミジャーノは2220mg

ペコリーノ・ロマーノDOPは羊乳100%でおろし用は最短8ヶ月、パルミジャーノ・レッジャーノDOPは牛の生乳で最短12ヶ月。産地も熟成も法律で決まっているのに、日本の棚に並ぶ「パルメザンチーズ」にはその縛りがない。乳の種類・熟成の長さ・粒の細かさという3つの軸から、サイト内の全レシピを貫くチーズの使い分けを追う。

食材

イタリアにトマトが着いてから、パスタに乗るまで242年かかった

記録に残る最古のイタリアのトマトは1548年10月31日、フィレンツェ郊外の農園からピサのコジモ1世へ届いた籠。パスタとトマトソースが同じ皿に載った最初の記録は1790年。マルコ・ポーロの麺は1929年にアメリカの業界誌が作った話で、サンマルツァーノは2011年時点で米国市場の推定95%が非正規品。トマトという素材を、出典の残っている事実だけで縦に貫く。

横断比較

おろしチーズは17gから50g:ローマ3皿を貫く3つの軸

カチョエペペのおろしチーズは麺100gあたり17gから50gまで、流派で3倍近く違う(ファビオ版はこれとは別にクリームチーズ50gを加えるため総量では最多)。カルボナーラ・アマトリチャーナと材料は別物でも、チーズの量・豚の脂・乳化の起点という同じ3軸で分岐しているだけだ。

道具

約65℃で止める:スケールと温度計の話

麺を目分量で計ると1人前あたり数g〜十数gぶれる(編集部の目安)。卵液は約65℃(ファビオの指定値)を超えて上げすぎると分離してスクランブルエッグに近づく。この2つの数値を家庭で再現するための、スケールと温度計の選び方。

道具

茹で汁を運ぶか、運ばないか:トングとパスタサーバー

麺を鍋からフライパンへ移す道具は2択。茹で汁をどれだけ連れてくるかで仕上がりが変わる、というのは編集部の見立てで、出典で検証された関係ではない。リュウジのように茹で汁を大さじ2と別に計量する流派では、道具の違いは小さいと考えられる。

横断比較

リュウジのボンゴレには昆布茶が入る

リュウジのボンゴレビアンコには昆布茶小さじ1/2が入る。7流派のボンゴレをあさりの開け方と乳化で比べると、分岐点は「貝の汁を麺に吸わせるか、茹で汁と合わせて乳化させるか」に集約される。

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