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先端がシリコンのトング。食材をつかむ道具の一例。
Susan Slater / CC BY-SA 4.0

道具

茹で汁を運ぶか、運ばないか:トングとパスタサーバー

麺を鍋からフライパンへ移す道具は2択。茹で汁をどれだけ連れてくるかで仕上がりが変わる、というのは編集部の見立てで、出典で検証された関係ではない。リュウジのように茹で汁を大さじ2と別に計量する流派では、道具の違いは小さいと考えられる。

公開 PASTAFONIA編集部
目次
  1. トングとパスタサーバーで何が変わるのか
  2. 誰が使っているのか
  3. 先端の素材で麺への当たりが変わる
  4. 代替品
  5. まとめ

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地味な道具に見えて、これが仕上がりのとろみを左右します。麺を鍋からフライパンへ移す道具は、主な選択肢がトングかパスタサーバーの2つです。茹で汁をどれだけ麺と一緒に運ぶかで、仕上がりのとろみが変わると考えられます(編集部の見立て。出典で検証された関係ではありません)。麺と茹で汁を一緒に運びたいならトング、湯切りして麺だけを移したいならパスタサーバー。乳化の方式そのものより、茹で汁を連れてくるかどうかで選ぶのが近道です。

  • トング麺を挟み、まとった茹で汁ごとフライパンへ移せる。
  • パスタサーバー麺をまとめてすくい、湯を切りながら一度に運べる。
  • 別計量の茹で汁指定量を先に量るレシピでは、移す道具への依存が下がる。

道具差が効くのは、麺と一緒に茹で汁を運ぶ設計のとき。

トングとパスタサーバーで何が変わるのか

トングは麺をつかんで持ち上げる道具です。先端がシリコンやナイロンの製品なら麺を潰さずにつかめ、鍋からフライパンへ移すときに麺の間に含んだ茹で汁を適量連れてこられます。全卵を弱火の直火で和えるリュウジ式は、冷ましたフライパンに茹で汁大さじ2程度とパスタを入れてから弱火で卵液を流し入れます(出典: tuberecipe.com/recipe/4951/detail)。茹で汁は計量して別に加えるため、麺を移す道具が茹で汁の量を決めるわけではありません。麺と一緒に茹で汁を運びたいかどうかは、レシピが茹で汁を計量指定しているかで判断できます。なおリュウジがトングを使っているかは、現時点で確認できていません。

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パスタサーバーは麺をすくい上げて湯切りしながら持ち上げる道具です。トングよりも一度にまとまった量の麺をほぐしやすく、茹で汁を意図的に絞り切ってから移したいときに向きます。卵液をボウルで別に作ってから麺と和えるファビオ式のような作り方では、茹で汁の量は麺と別に「茹で汁と水で割ったもの」30〜40ccとして計量して加えるとされ(第三者の書き起こしによる情報で、動画本編との照合は未了)、麺を移す道具そのものへの依存は下がります。

  • 小倉知巳愛用品リストにトングがあり、麺を移す器具として使われる。
  • Chef Ropia第三者の道具記事で使用が触れられるが、本人確認は未了。
  • パスタサーバーシェフ固有の確認はなく、一般的な湯切り道具として扱う。

確認済みの愛用品、第三者情報、一般用途を同列にしない。

誰が使っているのか

参宮橋『Regalo』の小倉知巳は、調理器具リストにトングを挙げています(出典: note.com/regalo_ogura)。用途までは明示されていません。なお小倉がそら豆のカルボナーラで示している方式は、フライパンに茹で汁30〜45ccを加えたあと火を止めてから、パスタと先に作っておいた卵液を和えるもので、卵液を直火にはかけないと見られます(出典: tuberecipe.com/recipe/7920/detail。プレーン版は vol.8 で公開されていますが、その回の書き起こしは見つけられていません)。トングは乳化の方式そのものとは別に、鍋からフライパンへ麺を運ぶ道具として使われていると考えられます。

詳しい解説を読む

Chef Ropia(小林諭史)についても、パスタ調理器具をまとめた記事でトングの使用が触れられています。ただしこの出典は第三者によるまとめ記事で、本人の動画本編での明言までは未確認のため、トングを使っていると見られる、という段階にとどめます(出典: delici.jp/pasta-kitchenware)。

パスタサーバーについては、シェフ固有の使用データはまだ確認できていません。一般的な調理器具として、湯切りしながらロングパスタを盛り付ける用途で広く使われています。

  • シリコン麺を柔らかく挟み、コーティングした鍋も傷めにくい。
  • ナイロン軽く扱えるが、製品ごとの耐熱温度を確認する。
  • 金属熱には強い一方、表面加工したフライパンへ傷を付けやすい。

先端素材は、麺への圧力と使うフライパンの表面で選ぶ。

先端の素材で麺への当たりが変わる

  • 先端の素材: シリコン・ナイロンは麺を潰しにくく、テフロン加工のフライパンも傷めません。金属製は熱に強い一方、コーティング鍋には不向きです
  • 開閉のロック: 収納時に閉じてロックできるタイプは、引き出しの中でかさばりません
  • 耐熱温度: 製品表示の耐熱温度を確認します。シリコン製・ナイロン製は製品ごとに表示が異なるため、購入前に表示を見てください
  • 菜箸茹で汁ごと移せるが、多量の麺はまとめにくい。
  • 穴あきお玉湯を切ってすくえるが、麺が塊で絡まりやすい。
  • ざる完全に湯切りするため、茹で汁は別に確保しておく。

代用品ごとに、運べる麺量と残る茹で汁が変わる。

代替品

トング・パスタサーバーの代わりに手元にある道具で代用することもできます。菜箸は麺をつかんで移動でき、トングと同様に茹で汁を連れてくることができますが、麺をまとめてつかむ力が弱く、量が多いと麺がこぼれやすいのが弱点です。穴あきお玉は湯切りしながらすくえる点でパスタサーバーに近い代用品ですが、麺が絡まって塊のまま移りやすく、ほぐしながら盛り付けるにはコツが要ります。鍋ごとざるに上げて完全に湯切りする方法は、茹で汁の量を一切連れてこられないため、直火や余熱で茹で汁のとろみを使う作り方には向きません。卵液に加える茹で汁をあらかじめ計量する作り方(ファビオ式は「茹で汁と水で割ったもの」30〜40ccを卵液に加えるとされます)であれば、麺が連れてくる茹で汁への依存は下がります。ただし書き起こしからはファビオが湯切りしているかどうかまでは読み取れず、仕上げでも茹で汁で濃度を調整するとされています。

  • レシピを確認茹で汁を麺と運ぶか、別に量るかを先に読む。
  • 移す道具を選ぶ水分を残すならトング、切るならサーバーを使う。
  • 素材を合わせる鍋の表面と耐熱条件に合う先端素材を選ぶ。

茹で汁の運び方を決めてから、形と素材を選べばよい。

まとめ

麺を移す道具は脇役に見えますが、茹で汁を「連れてくる量」を左右する道具です。1本で揃えるならまずはトングがおすすめです。乳化の作り方の違いをカルボナーラの比較ページで見比べながら、自分の作り方に合わせてパスタサーバーを足すかどうかを決めるのがおすすめです。流派ごとの茹で方・乳化の違いはカルボナーラのシェフ比較記事、乳化そのものの原理は乳化の科学も参考にしてください。小倉知巳の技法は小倉知巳のシェフページ、Chef RopiaはChef Ropiaのシェフページにまとめています。

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出典

  1. 小倉知巳「イタリア料理店"Regalo"小倉の愛用品リンク集」note
  2. パスタ調理器具まとめ(delici.jp)
  3. 小倉知巳「そら豆のカルボナーラ」書き起こし(tuberecipe.com)
  4. ファビオ「濃厚カルボナーラ」動画をもとにした記事(howtocook.jp)
  5. リュウジ「至高のカルボナーラ」書き起こし(tuberecipe.com)

トングパスタサーバー乳化道具カルボナーラ

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