- 塊で買う切り口を守り、使う直前まで香りと水分を保つ。
- 粉で買う手軽だが、開封時点までに香りが落ちている場合がある。
- 直前におろす必要量だけ細かくし、香りと溶け方を両立させる。
カチョ・エ・ペペなら、塊を直前におろすのが基準。
挽いた瞬間から香りが飛び始める
ペコリーノ・ロマーノDOPは、羊乳100%・塩気の強いイタリア産チーズです。パルミジャーノ・レッジャーノが牛乳由来で旨味寄りなのに対し、ペコリーノは塩気とコクが前に出るため、カチョ・エ・ペペやカルボナーラのローマ流では欠かせない材料です。
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編集部の見立てでは、すりおろし済みの粉タイプではなく塊で買うのが基本です。理由は2つあります。ひとつは香りの揮発です。すりおろした瞬間から香りが飛び始めるため、粉状のまま棚に置かれた製品は開封時点で香りが落ちています。もうひとつは乳化への影響です。市販の粉チーズには固結防止剤が添加されている製品があります。溶け方への影響は当サイトでは未検証です。カチョ・エ・ペペのようにチーズだけでソースの濃度を作る料理では、粒度や溶け方の差が仕上がりに直結しやすい点は意識しておきたいところです。
- 少量を併用卵や別チーズと合わせ、ペコリーノを一要素にする。
- 量を明記アマトリチャーナで麺量に対する使用量を数値指定する。
- たっぷりと指定グラムを置かず、味を見て寛大に加える流派もある。
使用量は、別素材との併用・数値指定・感覚指定に分かれる。
麺100gあたり20g、アマトリチャーナで最も多い使用量
使用量は流派によって幅があります。動画をもとにした記事(howtocook.jp)によれば、ファビオのカチョ・エ・ペペは、クリームチーズ50gを乳化の主役に据えたうえでペコリーノ15gを混ぜ込み、盛り付け後にもすりかける構成とされています(動画本編との照合は未了)。同じくファビオのカルボナーラでは、卵黄3個の卵液にグラナパダーノ10g・ペコリーノ5gを合わせ、仕上げにもペコリーノをかけているとされていますが、こちらも動画本編との照合は未了です。どちらもペコリーノ単体ではなく、別のチーズや脂と組み合わせている点が共通しています(狙いを塩気の調整と読むのは編集部の見立てです)。
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アマトリチャーナの海外シェフの動画では、より多い量が確認できます。Vincenzo’s Plateは「たっぷりの量(a generous amount)」とだけ表現し具体的なグラム数は明記していません。Pasta Grammarは「寛大な量をすりおろして混ぜ込む」とだけ表現しています。ローマの名店シェフ、ガブリエーレ・ペリッリの技法を紹介するItalia Squisitaのレシピ記事では、スパゲッティ500gに対してペコリーノ100g(麺100gあたり20g)を、火を止めてからマンテカーレ(練り込み)するとされており、グラム数が明記されている中では最もチーズが多い量です(他2者は「たっぷり」としか書いておらず比較できません)。Pasta GrammarとItalia Squisitaはいずれも火を止めてからペコリーノを混ぜ込みます(Vincenzo’s Plateはペコリーノを混ぜ込む工程自体がなく、盛り付け時に振りかけます)。使い方はVincenzo’s Plateの動画で確認できます。
再生するとYouTubeの埋め込みプレーヤーを読み込みます。YouTubeで開く
- DOP表示保護名称とロゴがパッケージにあるかを確かめる。
- 原料と製法羊乳と規定地域、定められた生産条件に沿う証明。
- 熟成表示期間を確認し、手元の製品を味見して塩を調整する。
DOPは製法の証明で、最後の塩加減は製品ごとに味見する。
DOPの見分け方と選び方
パッケージに「Pecorino Romano DOP」の表示と、原産地呼称保護(DOP)のロゴがあるかを確認します。DOPは生産地・製法が規定に沿っていることの証明で、羊乳100%・熟成期間などの基準を満たさない類似品には表示されません。熟成期間は製品によって幅があります(12ヶ月・16ヶ月などの表示がある)。熟成の長さが塩気や粒立ちにどう影響するかは当サイトでは未検証のため、カチョ・エ・ペペのように少量で味を決める料理では、まず手元の製品で味を見てから茹で塩を調整するのが無難です。
- 切り口を包むラップを密着させ、断面からの乾燥を抑える。
- 冷蔵で保管容器へ入れて冷蔵し、塊の水分と香りを守る。
- 使う分だけおろす調理直前の必要量だけ削り、粉の吸湿と香り抜けを防ぐ。
塊のまま密着包装し、調理直前に必要量だけおろす。
保存方法
以下は編集部の運用です。塊のまま買った場合は、切り口をラップで密着させてから保存容器に入れ、冷蔵庫のチルド室で保管します。切り口が乾くと風味が落ちるだけでなく、すりおろしにくくなります。使う分だけをその都度すりおろす運用にすると、香りの劣化を最小限に抑えられます。すりおろし済みの状態で長期間置くと、粉が水分を吸って固まったり、香りが飛んだりしやすいため、使い切れる量だけをおろすのが基本です。冷凍も可能ですが、解凍後は食感がぼそつきやすく、すりおろす前提であれば影響は小さくなります。
- 塊を選ぶ香りと粒度を自分で決められる形で購入する。
- 表示を見るDOPロゴと熟成期間を確認して製品を選ぶ。
- 塩を合わせる料理の肉や茹で塩を、実際のチーズの塩気へ合わせる。
購入・すりおろし・塩調整までを一つの選び方として考える。
まとめ
ペコリーノ・ロマーノDOPは、粉チーズではなく塊で買い、使う直前にすりおろすのが基本です。シェフによって使用量や組み合わせるチーズは異なります。ファビオのカチョ・エ・ペペはクリームチーズ、カルボナーラは卵黄とグラナパダーノ、アマトリチャーナの3者はグアンチャーレの脂と、それぞれ別の相手と組み合わせています。DOP表示と熟成期間を確認したうえで、レシピの塩分に合わせて選んでみてください。組み合わせ方の違いはカチョ・エ・ペペのシェフ比較とペコリーノとパルミジャーノの違いで詳しく扱っています。