ひと皿から、少し遠くへ。Recipes, people & good things.
トンナレッリ・カチョ・エ・ペペ

ローマ・ラツィオ · No.07 / 103

トンナレッリ・カチョ・エ・ペペ

Cacio e pepe, 9 ways

ペコリーノと黒胡椒だけ。チーズをダマにせずクリームにする温度管理が全て。

作り手のレシピから選ぶ

各カードは元動画またはレシピ記事へつながります。流派をそのままビルダーに入れることもできます

ワンパン・水340cc・バター10g・粉チーズ大さじ2の虚無パスタ

  • うま味調味料+バター+粉チーズの『足し算』で、ペコリーノなしでも成立させる時短路線
  • 皿をレンジで温めてチーズの固まりを防ぐ、という家庭向けの実務
  • 『パスタ以外はほぼ調味料だけ』というコンセプト
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本人の発言
  • ワンパンで出来るから超簡単、パスタ以外はほぼ調味料だけなので腹減ったらいつでも食えます 出典

参照: [1] [2]

クリームチーズ50gを乳化の主役に、余熱で溶かす

  • クリームチーズ50gを乳化・コク付けの主役に据える独自アレンジ
  • 分離しにくさを優先した家庭向けの安全設計
  • 別レシピにトスカーナ出身シェフ直伝の無塩バター版があるとされる(未確認)
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本人の発言
  • クリームチーズを加えることで、まろやかさとコクがプラスされ、より食べやすくなっています 出典

参照: [1] [2]

アーリオ・オーリオの発展形、パルミジャーノ15g+ニンニク

  • ペコリーノでなくパルミジャーノ、しかもニンニク入りという正統派からの距離
  • 『ベースのアーリオ・オーリオはこちら』とレシピを部品として積み上げる講座設計
  • チーズを溶かし込まないのでダマの失敗が構造的に起きない
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本人の発言
  • 今回はパルミジャーノと胡椒のパスタです。ベースのアーリオ・オーリオはこちらをご覧ください 出典

参照: [1]

材料3つ・油脂ゼロ、チーズ液を先に作り火を止めて絡める

  • 材料3つ・油脂ゼロで、日本勢の中で最もローマ正統派に近い
  • 『チーズを加える前に火を止める』をPointに明記
  • フライパンで茹で上げを完成させる(茹で汁多め)
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本人の発言
  • チーズはペコリーノ・ロマーノを使用すると良いが、動画ではグラナ・パダーノを使用している 出典
  • チーズを加える前に火を止める 出典

参照: [1]

2026年版は無塩・少なめの湯、鍋の上で蒸気で溶かす

  • 旧レシピから2026年版(少なめの湯・無塩)へ改訂しており、同一シェフ内で製法が経年変化
  • 『2025年発表の物理研究』を引用してデンプン濃度を根拠に置く
  • 同一ページ内に旧記述の150gが残るが、FAQが2026年版=125gと明記している
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本人の発言
  • Research published in 2025 specifically on the physics of cacio e pepe confirmed that a higher starch concentration in the cooking liquid produces a more stable sauce 出典
  • many Romans will tell you that mastering Cacio e Pepe is the true test of your pasta-making skills 出典

参照: [1] [2]

ペコリーノ30+パルミジャーノ30、火を止めて3分冷ましてから段階投入

  • ペコリーノ/パルミジャーノ半々ブレンドで、ペコリーノ100%派と明確に違う
  • 『火を止めて3分冷ます』という具体的なクールダウン指示
  • 『イタリアではチーズは常に極細におろす』とマイクロプレインを推奨
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本人の発言
  • the entire purpose of the dish, which is meant to be something you can whip up in no time, with little fuss or forethought 出典

参照: [1]

レシピ記事が出典(動画なし)

フライパンで少ない湯で茹でてデンプンを濃縮、胡椒は油でブルーム

  • 『フライパンで少ない湯で茹でてデンプンを濃縮する』を2016年に提示(Vincenzoの2026年版と同じ結論)
  • ローストした胡椒と挽きたて胡椒の二段使い
  • Why It Worksとして4点を明示する科学検証派の語り口
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本人の発言
  • Cooking the pasta in a skillet instead of a pot helps concentrate the starch in the water, making the sauce smoother. 出典

参照: [1] [2]

アルマンド・アル・パンテオンの原典版:クベバ胡椒、最初から最後まで火を止めたまま

  • クベバ胡椒(pepe nero cubebe)を指定する唯一のレシピ
  • 『すべて液状のまま、しかし濡れていない』という数値化しない職人の基準
  • 『原典 vs 創作』の対比構成で紹介される
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本人の発言
  • Questo è il passaggio più complicato, perché tutto deve restare liquido ma non bagnato 出典

参照: [1] [2]

ボウルで泡立て器のペコリーノクリーム、EVOOひとたらし

  • BBCのバター+パルミジャーノ版を『寝取られ男の皿』と批判する言説の一方、本人レシピにはパルミジャーノ大さじ1とEVOOが入る(言説と実装のずれ)
  • 泡立て器でクリームを作る道具ベースの乳化
  • 即食を強く推奨
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本人の発言
  • La Cacio e pepe è da servire e mangiare subito, poichè la cremina a condimento rischia di asciugarsi troppo 出典
  • A Roma, si dice che la pasta burro e parmigiano è il piatto dei cornuti 出典

参照: [1] [2]

9軸で横断比較

数値は各動画・レシピ記事の表現をそのまま転記

AXIS リュウジ ファビオ 小倉知巳 Chef Ropia(小林諭史) Vincenzo's Plate Pasta Grammar J. Kenji López-Alt Italia Squisita Max Mariola
麺・分量・茹で 1.4mm 100g・別茹でなしスパゲットーニ90g1.5mm 70g1人前・表示−2分スパゲットーニ250gスパゲッティ160g/2人スパゲッティ225g・フライパン茹で・表示−1分スパゲッティ600gトンナレッリ/スパゲッティ(分量なし)
茹で湯の塩 小さじ1/3+味の素4振り適量(%なし)1.5%1%無塩(2026年版)。旧法は岩塩大さじ1(2026年版ページの Original Method Only 表記)たっぷり(%なし)ひとつまみ粗塩適量記載なし
湯量 340cc(ワンパン)ソース用に水+茹で汁100cc記載なし(茹で汁大さじ1〜2)別鍋+フライパンに茹で汁多め少なめ(2026年版)大鍋麺が浸る程度(フライパン)控えめ(『ケチる』)茹で汁レードル約1杯をクリームに
チーズ 粉チーズ大さじ2(+バター10g)ペコリーノ15g+クリームチーズ50gパルミジャーノ15g(仕上げ)粉チーズ(動画はグラナ・パダーノ)・油脂なしペコリーノ125g(本文は150g)・油脂なしペコリーノ30g+パルミジャーノ30gペコリーノ55g(極細)+バター30gペコリーノ150g・油脂なしペコリーノ+パルミジャーノ大さじ1+EVOO少々
黒胡椒 粒黒胡椒を刻んで仕上げ粗挽き・弱火で空炒り黒胡椒(仕上げ)ホールを乾煎り約2分ロースト中〜強火4分ロースト・乳鉢小さじ1を油でブルーム+挽きたてクベバ胡椒大さじ1・粒でロースト・乳鉢粒黒胡椒
乳化の方式 煮詰め→バター→粉チーズを弱火で火を止めて余熱でクリームチーズ→ペコリーノアーリオ・オーリオ式、チーズは仕上げチーズ液を先に作り、火を止めて絡めるペースト→鍋の上で蒸気火を止め3分冷まし、段階投入別フライパンで茹で汁と混ぜる常に火を止めたままマンテカーレボウルで泡立て器・火なし
火加減・温度 弱火弱火・止める焼き色で一度止め、再点火弱火→止める直火から外して蒸気強火→止めて冷ます中弱火→脇に置くsempre a fuoco spento(常に火を止めて)火を使わない
仕上げ 温めた皿・黒胡椒黒胡椒・チーズ黒胡椒・パルミジャーノ粉チーズ・胡椒残りソース・黒胡椒追いチーズ追いチーズ温めた皿・胡椒・ペコリーノ追いチーズ・胡椒・レモンゼスト(任意)
所要時間 20分約15分約20分約15分約20分約20分25分記載なし記載なし
出典の確認 出典確認済一部未確認出典確認済出典確認済出典確認済出典確認済一部未確認出典確認済一部未確認
リュウジ ワンパン・水340cc・バター10g・粉チーズ大さじ2の虚無パスタ
麺・分量・茹で
1.4mm 100g・別茹でなし
茹で湯の塩
小さじ1/3+味の素4振り
湯量
340cc(ワンパン)
チーズ
粉チーズ大さじ2(+バター10g)
黒胡椒
粒黒胡椒を刻んで仕上げ
乳化の方式
煮詰め→バター→粉チーズを弱火で
火加減・温度
弱火
仕上げ
温めた皿・黒胡椒
所要時間
20分
出典
出典確認済
ファビオ クリームチーズ50gを乳化の主役に、余熱で溶かす
麺・分量・茹で
スパゲットーニ90g
茹で湯の塩
適量(%なし)
湯量
ソース用に水+茹で汁100cc
チーズ
ペコリーノ15g+クリームチーズ50g
黒胡椒
粗挽き・弱火で空炒り
乳化の方式
火を止めて余熱でクリームチーズ→ペコリーノ
火加減・温度
弱火・止める
仕上げ
黒胡椒・チーズ
所要時間
約15分
出典
一部未確認
小倉知巳 アーリオ・オーリオの発展形、パルミジャーノ15g+ニンニク
麺・分量・茹で
1.5mm 70g
茹で湯の塩
1.5%
湯量
記載なし(茹で汁大さじ1〜2)
チーズ
パルミジャーノ15g(仕上げ)
黒胡椒
黒胡椒(仕上げ)
乳化の方式
アーリオ・オーリオ式、チーズは仕上げ
火加減・温度
焼き色で一度止め、再点火
仕上げ
黒胡椒・パルミジャーノ
所要時間
約20分
出典
出典確認済
Chef Ropia(小林諭史) 材料3つ・油脂ゼロ、チーズ液を先に作り火を止めて絡める
麺・分量・茹で
1人前・表示−2分
茹で湯の塩
1%
湯量
別鍋+フライパンに茹で汁多め
チーズ
粉チーズ(動画はグラナ・パダーノ)・油脂なし
黒胡椒
ホールを乾煎り
乳化の方式
チーズ液を先に作り、火を止めて絡める
火加減・温度
弱火→止める
仕上げ
粉チーズ・胡椒
所要時間
約15分
出典
出典確認済
Vincenzo's Plate 2026年版は無塩・少なめの湯、鍋の上で蒸気で溶かす
麺・分量・茹で
スパゲットーニ250g
茹で湯の塩
無塩(2026年版)。旧法は岩塩大さじ1(2026年版ページの Original Method Only 表記)
湯量
少なめ(2026年版)
チーズ
ペコリーノ125g(本文は150g)・油脂なし
黒胡椒
約2分ロースト
乳化の方式
ペースト→鍋の上で蒸気
火加減・温度
直火から外して蒸気
仕上げ
残りソース・黒胡椒
所要時間
約20分
出典
出典確認済
Pasta Grammar ペコリーノ30+パルミジャーノ30、火を止めて3分冷ましてから段階投入
麺・分量・茹で
スパゲッティ160g/2人
茹で湯の塩
たっぷり(%なし)
湯量
大鍋
チーズ
ペコリーノ30g+パルミジャーノ30g
黒胡椒
中〜強火4分ロースト・乳鉢
乳化の方式
火を止め3分冷まし、段階投入
火加減・温度
強火→止めて冷ます
仕上げ
追いチーズ
所要時間
約20分
出典
出典確認済
J. Kenji López-Alt フライパンで少ない湯で茹でてデンプンを濃縮、胡椒は油でブルーム
麺・分量・茹で
スパゲッティ225g・フライパン茹で・表示−1分
茹で湯の塩
ひとつまみ
湯量
麺が浸る程度(フライパン)
チーズ
ペコリーノ55g(極細)+バター30g
黒胡椒
小さじ1を油でブルーム+挽きたて
乳化の方式
別フライパンで茹で汁と混ぜる
火加減・温度
中弱火→脇に置く
仕上げ
追いチーズ
所要時間
25分
出典
一部未確認
Italia Squisita アルマンド・アル・パンテオンの原典版:クベバ胡椒、最初から最後まで火を止めたまま
麺・分量・茹で
スパゲッティ600g
茹で湯の塩
粗塩適量
湯量
控えめ(『ケチる』)
チーズ
ペコリーノ150g・油脂なし
黒胡椒
クベバ胡椒大さじ1・粒でロースト・乳鉢
乳化の方式
常に火を止めたままマンテカーレ
火加減・温度
sempre a fuoco spento(常に火を止めて)
仕上げ
温めた皿・胡椒・ペコリーノ
所要時間
記載なし
出典
出典確認済
Max Mariola ボウルで泡立て器のペコリーノクリーム、EVOOひとたらし
麺・分量・茹で
トンナレッリ/スパゲッティ(分量なし)
茹で湯の塩
記載なし
湯量
茹で汁レードル約1杯をクリームに
チーズ
ペコリーノ+パルミジャーノ大さじ1+EVOO少々
黒胡椒
粒黒胡椒
乳化の方式
ボウルで泡立て器・火なし
火加減・温度
火を使わない
仕上げ
追いチーズ・胡椒・レモンゼスト(任意)
所要時間
記載なし
出典
一部未確認

工程を組み替えてみる(任意)

URLに選択が残るので、そのまま共有できます

1 麺と茹で 麺の銘柄・太さ・塩分・湯量・茹で時間
2 ベース 油脂・主素材の扱い(脂を出す・香りを出す)
3 ソースと乳化 和える場所・火加減・茹で汁の量
4 仕上げ チーズ・胡椒・追い油・盛り付け

流派マップ:どこで温度を作るか

トンナレッリ・カチョ・エ・ペペの分岐点は乳化と加熱の方式

直火で和える

フライパンを火にかけたまま手で温度を作る。速いが、手の感覚が要る。

間接熱で温度管理

湯煎・蒸気・二重鍋・ハンドミキサー。再現性が高い代わりに一手間。

火を止めて余熱で

火を切ってから、あるいはボウルで麺の熱だけで乳化させる。失敗しにくい。

茹で湯の塩分2流派の実値。同じ値は縦に重ねています
0.9%1.1%1.3%1.4%1.6%Chef Ropia(小林諭史): 1%CR小倉知巳: 1.5%TO
所要時間7流派の実値。同じ値は縦に重ねています
13.8分16.9分20分23.1分26.2分ファビオ: 約15分FChef Ropia(小林諭史): 約15分CRリュウジ: 20分R小倉知巳: 約20分TOVincenzo's Plate: 約20分VPPasta Grammar: 約20分ESJ. Kenji López-Alt: 25分JK
麺の太さ2流派の実値。同じ値は縦に重ねています
1.4mm1.4mm1.4mm1.5mm1.5mmリュウジ: 1.4mm 100g・別茹でなしR小倉知巳: 1.5mm 70gTO

この後に出す一皿

イタリアの献立では primo(パスタ)の後に secondo(主菜)が来ます

ローマ・ラツィオ 20 min

サルティンボッカ

Saltimbocca alla romana

薄く伸ばした仔牛肉にセージと生ハムを重ねて爪楊枝で留め、バターでソテーする一皿。名は「口に飛び込む(salta in bocca)」意。生ハムの塩気とセージの香りが仔牛の淡白さを補う構造で、生ハム側に火を入れすぎないのが肝とされる。

合うパスタ:リガトーニ・アラ・グリーチャ / トンナレッリ・カチョ・エ・ペペ / アサリのリングイネ

同じローマの定番プリモ。チーズと黒胡椒だけで肉を使わないので、生ハムのセコンドと豚の風味が重複せず、土地を揃えたまま重さを後半に上げられる。

この皿で使う道具と食材

調理に使う道具と、この皿に合う食材の購入候補です。

トンナレッリ・カチョ・エ・ペペの蘊蓄

食材

モッツァレラは0mg、48ヶ月のパルミジャーノは2220mg

ペコリーノ・ロマーノDOPは羊乳100%でおろし用は最短8ヶ月、パルミジャーノ・レッジャーノDOPは牛の生乳で最短12ヶ月。産地も熟成も法律で決まっているのに、日本の棚に並ぶ「パルメザンチーズ」にはその縛りがない。乳の種類・熟成の長さ・粒の細かさという3つの軸から、サイト内の全レシピを貫くチーズの使い分けを追う。

シェフの流派

塩は「適量」、水は「ケチる」としか書かれていない

Italia Squisitaのカチョ・エ・ペペ原典レシピに、湯量や塩分の数値は一つも出てこない。塩は「適量」、水は「avara(ケチる)」とだけ。乳化は常に火を止めたまま。アマトリチャーナは油を使わず強火でグアンチャーレを炒める。湯量と塩に数値がないのはカチョ・エ・ペペのほうだけ。同じ「原典版」2本を分解する。

シェフの流派

「厳密に測らなくていい」Kenjiと、グラム単位のSerious Eats

Kenji López-Altは動画で「分量は厳密に測らなくていい」と言い切る。一方、現行のSerious Eatsのカルボナーラ記事はDaniel Gritzerの執筆で、卵の個数から茹で汁の量までグラム・ミリリットル単位で指定し、ボウルも「底が湯に触れない大きさ」と条件を書き込む。カチョエペペはフライパンに少ない湯、カルボナーラは二重鍋。同じ科学検証派でも人と媒体で精度が変わる理由を見る。

シェフの流派

塩を半分に減らし、鍋の火を使わずに乳化させる夫婦

Pasta Grammarのカルボナーラは、茹で塩を通常の半分に抑え、鍋の火を使わず麺の熱だけで卵を乳化させる。カチョ・エ・ペペは火を止めて3分待ってからチーズを少量ずつ加える。カラブリア出身の妻と米国人の夫が、郷土料理への敬意と伝統への原理主義を同時に語る。

食材

乾燥は8〜10日から2〜3時間になった:デュラム小麦とブロンズダイスと、乾麺の100年

イタリアの法律は「pasta di semola di grano duro」の名乗りを、デュラム小麦のセモリナと水だけに限る。グラニャーノIGPは乾燥を40〜85°C・4〜60時間で縛る。日本のJASは7,840kPa以上で押し出せと書く。番手・ダイス・乾燥温度という3つの変数が、皿の上でソースが絡むかどうかを決めている。

食材

日本の規格に「エキストラバージン」という等級は存在しない

IOCは遊離酸度0.8%以下と官能パネルでエキストラバージンを定義する。一方、日本のJAS 0523:2024にあるのは「オリーブ油」と「精製オリーブ油」の2区分だけだ。発煙点をめぐる誤解、喉を刺すオレオカンタール、品種が決める辛味の幅、そして乳化。本稿で比較する既存30皿のうち22皿に入っている油を、規格・科学・レシピの三方向から追う。

読み物

同じ「伝統派」でも、チーズの量は倍まで開く

カチョ・エ・ペペの伝統派3チャンネルは、麺100gあたりのチーズ量が25g・37.5g・50gとバラバラだ(37.5gはペコリーノ18.75g+パルミジャーノ18.75gの半々ブレンド)。海外パスタYouTube5チャンネルを、原典への忠実さと再現手順の作り方で伝統派・科学派・翻訳派の3つに整理する。

食材

ペコリーノは塊で買う:使う直前におろす理由

ペコリーノ・ロマーノDOPは香りの揮発を避けるため塊で買うのが基本、というのが編集部の見立てだ。アマトリチャーナで確認できた中で最も多い麺100gあたり20gという使用量や、保存とDOP表示の見分け方までまとめた。

横断比較

おろしチーズは17gから50g:ローマ3皿を貫く3つの軸

カチョエペペのおろしチーズは麺100gあたり17gから50gまで、流派で3倍近く違う(ファビオ版はこれとは別にクリームチーズ50gを加えるため総量では最多)。カルボナーラ・アマトリチャーナと材料は別物でも、チーズの量・豚の脂・乳化の起点という同じ3軸で分岐しているだけだ。