ひと皿から、少し遠くへ。Recipes, people & good things.
水気を切ったほうれん草をクリームソースに合わせたスパゲッティ
水気を切ったほうれん草をクリームソースに合わせたスパゲッティ(生成イメージ)

工程の科学

ほうれん草パスタの下ごしらえ:ゆでる・生で使う・冷凍を選ぶ

えぐ味を減らしたい時のゆで方、水を切ってからソースへ加える順番、生・電子レンジ・冷凍ほうれん草を使い分けるための考え方を整理します。

公開 PASTAFONIA編集部
目次
  1. えぐ味を減らすなら、ゆでて水にさらす
  2. 生の葉と電子レンジは、別の狙いで使う
  3. 冷凍ほうれん草は、凍ったまま水分を管理する
  4. 水っぽさとえぐ味を、同じ失敗にしない

ほうれん草をパスタへ入れる時は、最初に「えぐ味を減らすために水でゆでるのか」「生の葉を最後にしんなりさせるのか」「冷凍品を凍ったまま使うのか」を決めます。三つは同じ材料を早く仕上げるための置き換えではありません。水にさらす工程を使うなら水気を切る時間が必要で、生の葉を使うならソースへ出る水分を見ます。冷凍品なら解凍水を別に扱います。

農林水産省は、ほうれん草のえぐ味の原因の一つであるシュウ酸は水溶性で、ゆでる・水にさらす調理で減らせると案内しています。生のまま炒める、電子レンジで加熱する、冷凍品を使う方法は、その効果を同じように得る方法としては扱いません。本稿のソースとの合わせ方は編集部の提案であり、単一の検証済みレシピではありません。

ゆでる:根元から湯へ入れる:葉を加熱しすぎない。さらす:流水で熱を落とす:水に溶けるえぐ味を減らす。切る:水気を切ってから切る:ソースへ水を入れない
えぐ味を減らす手順

えぐ味を減らすなら、ゆでて水にさらす

根元に土が残りやすいため、まず根元を開くようにして洗います。農林水産省は、沸騰した湯へ根元から入れ、およそ1分ゆでて流水にさらす手順を紹介しています。太い根元へ先に湯を当て、少し遅れて葉を沈めると、葉だけが先にくたびれるのを抑えやすくなります。時間は株の太さと量で変わるので、時計だけで決めず、根元が噛み切れるかを一本で確認します。

詳しい解説を読む

水にさらした後は、握りつぶすように強く絞る前に、ざるで水を落とします。パスタの具としては、次にペーパーで包むか、手でやさしく押して余分な水を除きます。水を切らずに熱いクリームや茹で汁へ入れると、せっかく別にした水がソースの濃さを変えます。ゆでた葉をそのまま長く煮るより、食べやすい長さへ切って、最後に温め直す方が役割を分けられます。

手順目的次に確認すること
根元からゆでる太い部分へ先に火を入れる葉を加熱しすぎない
流水にさらす水に溶けるえぐ味を減らす湯気が落ち着くまで扱う
水気を切るソースへ水を持ち込まない包丁とまな板も清潔にする

ゆで時間を延ばせば良いとは限りません。農林水産省もゆですぎに注意するよう案内しています。パスタへはさらに仕上げの加熱があるため、鍋で完全に仕上げ切ろうとせず、次のフライパンで短く温まる余地を残します。えぐ味が気になる日には、この水を使う方法を選び、油やチーズで隠す解決にしない方が、何を変えたかを確かめやすくなります。

水ゆで:えぐ味を減らしたい:水気を切ってから使う。生の葉:形を残したい:洗い水を残さない。電子レンジ:少量を先に加熱したい:出た水を鍋へ入れない
三つの下ごしらえを分ける

生の葉と電子レンジは、別の狙いで使う

生のほうれん草を使うなら、洗った後の水を十分に落とし、茎と葉を分けます。油、にんにく、ベーコンなどを先に整え、茎を少し先に入れ、葉は麺を合わせる直前に加えます。葉がしんなりしたら火を止めるか弱めます。ここでの狙いは、葉の形と青い香りを残すことであって、ゆでて水にさらす下処理の代用ではありません。

詳しい解説を読む

電子レンジは、少量だけ加熱したい時に便利です。ただし、加熱後に容器の底へ水が出ていれば、ソースへそのまま流し込みません。葉を取り出して水気を切り、味を整えた麺へ加えます。加熱むらが気になる場合は、一度ほぐし、熱い部分と冷たい部分が残っていないかを確認します。電子レンジの出力や葉の量が違うため、ここでも固定時間を安全や仕上がりの保証にはしません。

方法向く狙い注意する点
水ゆで+流水えぐ味を減らしたい水気を切ってから入れる
生のまま葉の形を残したい洗い水と加熱時間を抑える
電子レンジ少量を先に加熱したい出た水をソースへ入れない

生の葉をクリームへ入れる時は、鍋の液体が多い段階で加えないことです。葉からも水分が出るため、牛乳や生クリームを一度に増やすと、麺を入れた後で濃さを戻す必要が出ます。先にソースを麺へ薄くまとわせ、葉が入る余地だけを残し、仕上げに加えます。サーモンクリームパスタのように魚を使う時は、生の魚に触れた包丁・まな板などを洗い、加熱後の魚やほうれん草へそのまま使い回さないようにします。

家庭で冷凍する:ゆでて流水で冷ます:水気を切ってから冷凍する。市販の冷凍品:表示の方法を優先する:保存状態を確かめる。調理する:凍ったまま少量ずつ加える:水分を見てソースを整える
冷凍ほうれん草は種類で分ける

冷凍ほうれん草は、凍ったまま水分を管理する

市販の冷凍品を選ぶ時は、商品表示の調理方法と保存方法を最初に確認します。家庭でほうれん草を冷凍する場合は、生のまま袋へ入れる手順にはしません。農林水産省は、ほうれん草など下ゆでしてあく抜きする必要のある野菜は、ゆでてから冷凍するよう案内しています。前の章の下ゆで・流水の工程を行い、水気を切って食べやすく切り、冷凍保存袋の空気を抜いて平らにします。調理時は解凍せず凍ったまま使い、出てくる水をソースの一部と決めつけずに確認します。

詳しい解説を読む

フライパンへ入れるなら、ソースを完成させる前に凍ったほうれん草を少量ずつ加え、出てくる水を見ます。水が多ければ、葉を温めた後に一度取り出し、鍋底の液だけを整えます。冷凍野菜を解凍してから握り絞る方法もありますが、品質や衛生の扱いは商品ごとに異なります。市販品はパッケージの指示を優先してください。

状態先にすることソースとの合わせ方
市販の冷凍品表示どおりに扱う少量ずつ加え、水を見る
家庭で冷凍する前下ゆで・流水の後、水気を切る小分けにして平らに冷凍する
家庭で下ゆで冷凍したもの必要な量を凍ったまま加熱する溶けた水を一度に増やさない

冷凍ほうれん草は、生の葉と同じ見た目へ戻すための材料ではありません。細胞が壊れて水が出やすいという性質を前提に、スープや煮込みのように液体を受け止められる料理に寄せるか、少量を具として使います。クリーム系なら、麺を入れる前の濃いソースに大量に加えるより、最後に少しずつ合わせる方が判断しやすいです。

えぐ味:ゆでて流水にさらす:味付けで隠す前に試す。薄い:残った水の種類を見る:塩を急いで増やさない。葉が黒い:加熱場所を一つにする:最後は短く温める
えぐ味と水っぽさを分ける

水っぽさとえぐ味を、同じ失敗にしない

えぐ味が残る。 生のまま、電子レンジ、冷凍品のどれを使ったかを確認します。水に溶けるえぐ味を減らすことが目的なら、次回はゆでて流水にさらす方法を試します。塩、チーズ、バターを増やして感じにくくする前に、下処理の選択を変えます。

詳しい解説を読む

ソースが薄い。 原因は、ゆで後に残った水、洗い水、冷凍時に出た水のいずれかかもしれません。麺をまだ入れていなければ、ほうれん草を取り出し、ソースを短く整えます。麺が食べ頃なら、煮詰めるために長く火を入れず、余分な液を残して盛ります。チーズや塩を足すのは、液体の量を決めてからです。

葉が黒ずみ、形がない。 ゆで、電子レンジ、フライパンの三つで長く加熱していないかを見ます。火を通す場所は一つを主役にし、ほかの工程は短く温めるだけにします。生の葉を使う日は、ソースを仕上げてから入れる。ゆでた葉を使う日は、湯から上げた後に水気を切る。どちらも「麺を待たせながら煮込まない」ことが共通です。

ほうれん草を入れる判断は、色を足すためだけの工程ではありません。えぐ味を減らすなら水、形を残すなら最後、家庭で冷凍するなら下ゆで後に水を切る。アラ・パンナのクリームに合わせる時も、葉を入れる直前の鍋の濃さと、葉から出てくる水を見てください。

この皿を作る

出典

  1. 農林水産省「ほうれん草のえぐ味を減らすには、どのように調理すればいいですか。」
  2. 農林水産省「簡単な『冷凍ワザ』で、野菜を新鮮に!おいしく!」
  3. 厚生労働省「家庭での食中毒予防」

ほうれん草野菜パスタ下ごしらえ冷凍野菜

隣の蘊蓄