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アマトリチャーナの分岐点はひとつ、玉ねぎとニンニクを入れるかどうかだ。伝統的なローマ・アマトリーチェの流派は入れない。今回比べた6人のうち、入れているのはリュウジと日髙良実の2人だけで、残るファビオ・Vincenzo’s Plate・Pasta Grammar・Italia Squisitaの4人は、玉ねぎもニンニクも使わず、豚の脂とトマトとチーズを軸に(白ワインや唐辛子を添えて)作る。
- 4材料だけファビオは豚、トマト、チーズ、麺に絞る
- 低温で脂出しVincenzoは白ワイン後、トマトを短く煮る
- 強火で焼くPerilliは色づけ後、大さじ1のワインで蒸らす
玉ねぎとニンニクを抜いても、豚の火入れとワイン量は割れる。
玉ねぎもニンニクも要らない、という4人
ファビオは動画のタイトルが「玉ねぎ入れるな!」で、概要欄に「ラツィオ州ローマのクラシックでは、玉ねぎもオリーブオイルも使いません。必要なのは、グアンチャーレ、ペコリーノ・ロマーノ、トマト、そしてパスタ」と書いています。使うのはブカティーニ70g・グアンチャーレ45g・パッサータ(裏ごしトマト)160g・ペコリーノ・ロマーノ約10gの4つだけです。油を引かない点は伝統的ですが、火加減は概要欄に記載がなく未確認です。
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Vincenzo’s Plateはグアンチャーレ150gを低〜中温でゆっくり加熱し、色が変わり始めたら白ワインをグラス1杯、皮なしトマト400gを加えて10〜15分煮て、茹で汁を大さじ5杯加えて麺と結合させます。「This amatriciana recipe starts with the guanciale!」と、グアンチャーレを起点に置き、代用は「パンチェッタかサラミ。ベーコンは不可」と明言しています。
Italia Squisitaで紹介されるGabriele Perilli(アマトリーチェの老舗「ラ・コンカ」)の原典版は、グアンチャーレ150gを油なし・強火でこんがり焼き、白ワインは大さじ1だけ、ホールトマト400gと唐辛子1本でゆっくり煮て、火を消してからペコリーノ100gを加えて数分マンテカーレします。強火で焼く点は、低〜中温でじっくり脂を出すVincenzo’s Plateとは対照的です。
Pasta Grammarは玉ねぎを入れず、赤唐辛子フレークを加えます。唐辛子を使う点はItalia Squisitaと共通ですが、丸ごと1本ではなくフレークで辛味を散らす点が違います。グアンチャーレ100gは塊に切って中火5〜6分、白ワイン60ml、ホールトマト400g。「White wine is traditional, but feel free to experiment!」とコメント欄の返信で述べており、ワインの選択に幅を持たせています。仕上げは「火を消してから寛大な量のペコリーノ」です。
- 日髙良実焦がさず香りを立て、玉ねぎとパンチェッタへ
- リュウジ香味野菜を深く焼き、ソースを先に作る
- ベーコンは後洗ったフライパンで炒め、二工程を合流させる
加える香味野菜は同じでも、焦がし方と豚を入れる順番が違う。
日本の台所で足された玉ねぎとニンニク
日髙良実はオリーブオイルにみじん切りニンニク1片を入れ、パンチェッタ70〜80gは冷たい状態から加えて、ニンニクは鍋の端に寄せて焦がさないようにしながら、色づいて香りが立ったらパンチェッタと合わせてカリカリにし、薄切り玉ねぎ1/3個、白ワインでデグレーズしてカットトマト缶400gを煮ます。仕上げは火を止めてオリーブオイルとペコリーノ大さじ1。書き起こしには「ニンニクを焦がさず、色づいて香りが立ったらパンチェッタと合わせる」という注意が残っています(出典は英語版ページの Key Tip「Don’t burn the garlic; once it’s colored and fragrant, combine it with the pancetta」、訳は編集部)。この回はニンニクと玉ねぎを両方使っていますが、本人は動画で、ニンニクも玉ねぎも入れたり入れなかったりする任意の材料だと述べており、固定した流派というより家庭ごとの好みの幅を示す一例です。
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リュウジはニンニク2かけを「じっくり深いきつね色になるまで」焦がし、玉ねぎ小1/2個も「少し焦げ目がつくまで」炒めてから、トマト缶1/3とチキンコンソメで煮ます。ベーコンブロック40gが登場するのはそのあとです。トマトソースを一度ボウルにあけ、フライパンを洗い、ベーコンはそのあとで初めて炒める2工程構成です(公式レシピ)。洗う理由は出典に記載がなく、鍋肌の焦げ付きを持ち越さないためと編集部では見ています。対応する動画は確認できていません。
- 大さじ1Perilliは強火で焼いた豚を少量で蒸らす
- 60mlPasta Grammarは麺160gに加える
- グラス1杯Vincenzoは麺250gでもワイン量が多い
伝統性とワイン量は比例せず、レシピ単位の確認が要る。
白ワインの量は、伝統派ほど少ないとは限らない
豚肉の脂を出してからトマトを加える順番はリュウジを除く5流派で共通ですが(日髙良実のみパンチェッタ)、リュウジだけはトマトソースを先に作り、フライパンを洗ってからオリーブオイルでベーコンを炒める逆順です。残る5流派の中では、加熱の強さと白ワインの量が分かれます。
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白ワインはItalia Squisitaが大さじ1(蒸らし用)、Pasta Grammarが60ml、Vincenzo’s Plateがグラス1杯、日髙良実は「to taste」で、ファビオの材料表には白ワインがありません。麺量あたりで見ると、Pasta Grammarは麺160gに60ml、Vincenzo’s Plateは麺250gにグラス1杯で、伝統派ほど少ないとは限りません。
ペコリーノの入れ方は、Italia Squisita・Pasta Grammar・日髙良実が「火を消してから」、Vincenzo’s Plateが盛り付け後に「たっぷり」です。量を麺100gあたりで揃えると、Italia Squisitaは麺500gに100g(100gあたり20g)、ファビオは麺70gに約10g(100gあたり約14g)です。Vincenzo’s PlateとPasta Grammarは「たっぷり」としか示していないため、定量比較はできません。
- 脂が焦げる強火で長く置かず、色づいたら次工程へ移る
- チーズが分離鍋を直火から外し、余熱でペコリーノを混ぜる
- 塩気が重なる豚、チーズ、茹で塩を別々に足し算する
焦げ・分離・塩辛さは、それぞれ火力、投入温度、塩の重複を疑う。
焦げる・分離する・しょっぱくなる、その原因
以下の原因の見立ては編集部によるもので、各出典は手順のみを示しています。
グアンチャーレの脂を焦がすのは、強火で長く置きすぎるためです。Vincenzo’s Plateは低〜中温、日髙良実は冷たい状態から始めます。Italia Squisitaは強火で焼きますが、色づいたらすぐ白ワインで蒸らします。
チーズを入れた瞬間に分離するのは、直火にかけたまま入れるためです。Italia Squisita・Pasta Grammar・日髙良実はいずれも火を消してからペコリーノを入れます。
塩気が強すぎるのは、グアンチャーレとペコリーノと茹で塩が重なるためです。ペコリーノの量を麺100gあたりで決め、茹で塩は鍋の湯量に対する%で決めてください(湯1Lに塩10gで1%)。
- 香味野菜玉ねぎとニンニクを入れるか先に決める
- 豚の焼き方強火で焼くか、低温で脂を出すかを選ぶ
- チーズの熱直火を外してからチーズを加える流派が複数ある
六流派は、香味野菜、豚の火入れ、チーズの温度で見通せる。
まとめ
玉ねぎとニンニクを入れるか、豚を強火で焼くかじっくり出すか、ペコリーノを火を消して入れるか。この3点で6流派はほぼ整理できます。分解した各シェフの手順はアマトリチャーナの比較ページにまとめています。工程ごとに好きな流派を組み合わせたい場合はレシピビルダーの使い方から始めてください。