ローマ・ラツィオ · No.05 / 103
ブカティーニ・アマトリチャーナ
Amatriciana, 6 ways
グアンチャーレの脂でトマトを煮る。脂を出す順番と、ペコリーノを入れるタイミングで味が変わる。
作り手のレシピから選ぶ
各カードは元動画またはレシピ記事へつながります。流派をそのままビルダーに入れることもできます
Perilliの原典版:油なし強火、白ワイン大さじ1、火を消してペコリーノ100g
- 玉ねぎ・ニンニク完全不使用の、発祥地アマトリーチェの原典の代表例
- 白ワインは大さじ1のみ(海外系のグラス1杯・60mlと桁違い)
- Angelo Troianiの『グルメ版』との対比構成で紹介される
11軸で横断比較
数値は各動画・レシピ記事の表現をそのまま転記
| AXIS | リュウジ | ファビオ | 日髙良実 | Vincenzo's Plate | Pasta Grammar | Italia Squisita |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 麺・分量・茹で | 100g〜(種類なし) | ブカティーニ70g | ブカティーニ160g/2人 | ブカティーニ250g/2人 | ブカティーニ/スパゲッティ160g | スパゲッティ500g・表示−1分 |
| 茹で湯の塩 | 『吸い物程度』 | 適量(%なし) | to taste | 岩塩ひとつかみ | 多め(%なし) | 適量 |
| 豚(脂の出し方) | ベーコンブロック40g・オリーブ油で弱火 | グアンチャーレ45g・脂のみ | パンチェッタ70〜80g・冷たい状態から | グアンチャーレ150g・低〜中温 | グアンチャーレ100g・塊・中火5〜6分 | グアンチャーレ150g短冊・油なし強火 |
| トマト | トマト缶1/3 | パッサータ160g | カットトマト缶400g | 皮なしトマト缶400g | ホールトマト400g(フォークで潰す) | ホールトマト400g |
| ワイン・酸 | なし(コンソメ小さじ1/2〜) | 材料表になし | 白ワイン(to taste) | 白ワイングラス1杯 | 白ワイン60ml | 白ワイン大さじ1 |
| チーズ | 好みで削りたて | ペコリーノ約10g | ペコリーノ大さじ1(火を止めて) | ペコリーノたっぷり | ペコリーノたっぷり(火を消して) | ペコリーノ100g(火を消して) |
| 玉ねぎ・ニンニク | 玉ねぎ小1/2+ニンニク2かけ(焦がす) | なし(玉ねぎ・オリーブオイル不使用) | 玉ねぎ1/3+ニンニク1片 | なし | なし(唐辛子フレークあり) | なし(唐辛子1本) |
| 和え方 | 茹で汁少々+オリーブ油であおる | 未確認(概要欄に記載なし) | 茹で汁で濃度調整 | 茹で汁大さじ5 | 火を消してチーズ | 火を消してマンテカーレ |
| 火加減 | 弱火じっくり | 未確認 | 冷たい状態からじっくり | 低〜中温→10〜15分 | 中火 | 強火→ゆっくり |
| 仕上げ | チーズ任意 | ペコリーノ | オリーブオイル・ペコリーノ・黒コショウ | ペコリーノ | 追いペコリーノ | 追いペコリーノ |
| 所要時間 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 約30分 | 約30分 | 記載なし |
| 出典の確認 | 一部未確認 | 一部未確認 | 一部未確認 | 出典確認済 | 出典確認済 | 出典確認済 |
リュウジ ベーコン・玉ねぎ・焦がしニンニク・コンソメの家庭版
- 麺・分量・茹で
- 100g〜(種類なし)
- 茹で湯の塩
- 『吸い物程度』
- 豚(脂の出し方)
- ベーコンブロック40g・オリーブ油で弱火
- トマト
- トマト缶1/3
- ワイン・酸
- なし(コンソメ小さじ1/2〜)
- チーズ
- 好みで削りたて
- 玉ねぎ・ニンニク
- 玉ねぎ小1/2+ニンニク2かけ(焦がす)
- 和え方
- 茹で汁少々+オリーブ油であおる
- 火加減
- 弱火じっくり
- 仕上げ
- チーズ任意
- 所要時間
- 記載なし
- 出典
- 一部未確認
ファビオ 玉ねぎもオリーブオイルも使わない。グアンチャーレ・パッサータ・ペコリーノだけ
- 麺・分量・茹で
- ブカティーニ70g
- 茹で湯の塩
- 適量(%なし)
- 豚(脂の出し方)
- グアンチャーレ45g・脂のみ
- トマト
- パッサータ160g
- ワイン・酸
- 材料表になし
- チーズ
- ペコリーノ約10g
- 玉ねぎ・ニンニク
- なし(玉ねぎ・オリーブオイル不使用)
- 和え方
- 未確認(概要欄に記載なし)
- 火加減
- 未確認
- 仕上げ
- ペコリーノ
- 所要時間
- 記載なし
- 出典
- 一部未確認
日髙良実 パンチェッタを冷たい状態から、ニンニクと玉ねぎ、白ワインでデグレーズ
- 麺・分量・茹で
- ブカティーニ160g/2人
- 茹で湯の塩
- to taste
- 豚(脂の出し方)
- パンチェッタ70〜80g・冷たい状態から
- トマト
- カットトマト缶400g
- ワイン・酸
- 白ワイン(to taste)
- チーズ
- ペコリーノ大さじ1(火を止めて)
- 玉ねぎ・ニンニク
- 玉ねぎ1/3+ニンニク1片
- 和え方
- 茹で汁で濃度調整
- 火加減
- 冷たい状態からじっくり
- 仕上げ
- オリーブオイル・ペコリーノ・黒コショウ
- 所要時間
- 記載なし
- 出典
- 一部未確認
Vincenzo's Plate グアンチャーレ150g、白ワイン1杯、茹で汁大さじ5で結合
- 麺・分量・茹で
- ブカティーニ250g/2人
- 茹で湯の塩
- 岩塩ひとつかみ
- 豚(脂の出し方)
- グアンチャーレ150g・低〜中温
- トマト
- 皮なしトマト缶400g
- ワイン・酸
- 白ワイングラス1杯
- チーズ
- ペコリーノたっぷり
- 玉ねぎ・ニンニク
- なし
- 和え方
- 茹で汁大さじ5
- 火加減
- 低〜中温→10〜15分
- 仕上げ
- ペコリーノ
- 所要時間
- 約30分
- 出典
- 出典確認済
Pasta Grammar グアンチャーレを塊で、唐辛子と白ワイン60ml、火を消してペコリーノ
- 麺・分量・茹で
- ブカティーニ/スパゲッティ160g
- 茹で湯の塩
- 多め(%なし)
- 豚(脂の出し方)
- グアンチャーレ100g・塊・中火5〜6分
- トマト
- ホールトマト400g(フォークで潰す)
- ワイン・酸
- 白ワイン60ml
- チーズ
- ペコリーノたっぷり(火を消して)
- 玉ねぎ・ニンニク
- なし(唐辛子フレークあり)
- 和え方
- 火を消してチーズ
- 火加減
- 中火
- 仕上げ
- 追いペコリーノ
- 所要時間
- 約30分
- 出典
- 出典確認済
Italia Squisita Perilliの原典版:油なし強火、白ワイン大さじ1、火を消してペコリーノ100g
- 麺・分量・茹で
- スパゲッティ500g・表示−1分
- 茹で湯の塩
- 適量
- 豚(脂の出し方)
- グアンチャーレ150g短冊・油なし強火
- トマト
- ホールトマト400g
- ワイン・酸
- 白ワイン大さじ1
- チーズ
- ペコリーノ100g(火を消して)
- 玉ねぎ・ニンニク
- なし(唐辛子1本)
- 和え方
- 火を消してマンテカーレ
- 火加減
- 強火→ゆっくり
- 仕上げ
- 追いペコリーノ
- 所要時間
- 記載なし
- 出典
- 出典確認済
工程を組み替えてみる(任意)
URLに選択が残るので、そのまま共有できます
流派マップ:どこで温度を作るか
ブカティーニ・アマトリチャーナの分岐点は乳化と加熱の方式
直火で和える
フライパンを火にかけたまま手で温度を作る。速いが、手の感覚が要る。
間接熱で温度管理
湯煎・蒸気・二重鍋・ハンドミキサー。再現性が高い代わりに一手間。
- 該当する流派なし
火を止めて余熱で
火を切ってから、あるいはボウルで麺の熱だけで乳化させる。失敗しにくい。
この皿で使う道具と食材
調理に使う道具と、この皿に合う食材の購入候補です。
ブカティーニ・アマトリチャーナの蘊蓄
伝統ローマ・アマトリーチェの流派は玉ねぎもニンニクも入れない。6人のシェフのうち入れているのはリュウジと日髙良実だけで、残る4人は豚の脂とトマトとチーズを軸に白ワインや唐辛子を添えて作る。分かれ目は焼き方と白ワインの量、チーズを入れるタイミングだ。
表示どおりに上げる時と、ソースの中で仕上げる時を分けて解説。硬いまま・伸びすぎを防ぐ味見のタイミングと、早上げを一律にしない理由を紹介します。
トマトソース用に買うならホール、カット、パッサータのどれ?形状と水分、ソースに残したい食感から選び、産地の表示と味の好みを分けて考えます。
ペコリーノ・ロマーノDOPは羊乳100%でおろし用は最短8ヶ月、パルミジャーノ・レッジャーノDOPは牛の生乳で最短12ヶ月。産地も熟成も法律で決まっているのに、日本の棚に並ぶ「パルメザンチーズ」にはその縛りがない。乳の種類・熟成の長さ・粒の細かさという3つの軸から、サイト内の全レシピを貫くチーズの使い分けを追う。
Italia Squisitaのカチョ・エ・ペペ原典レシピに、湯量や塩分の数値は一つも出てこない。塩は「適量」、水は「avara(ケチる)」とだけ。乳化は常に火を止めたまま。アマトリチャーナは油を使わず強火でグアンチャーレを炒める。湯量と塩に数値がないのはカチョ・エ・ペペのほうだけ。同じ「原典版」2本を分解する。
イタリアの法律は「pasta di semola di grano duro」の名乗りを、デュラム小麦のセモリナと水だけに限る。グラニャーノIGPは乾燥を40〜85°C・4〜60時間で縛る。日本のJASは7,840kPa以上で押し出せと書く。番手・ダイス・乾燥温度という3つの変数が、皿の上でソースが絡むかどうかを決めている。
にんにくの香りは、にんにくの中には入っていません。切って壊して初めて生まれ、数分で山を越え、湯の中では1%以下まで消えます。切り方・待ち時間・火入れ・産地呼称・保存の危険まで、蘊蓄をひととおり。
Vincenzo's Plateはアマトリチャーナの代用品にパンチェッタとサラミを挙げつつ、ベーコンだけは名指しで禁じています。グアンチャーレの通販での選び方と、シェフによる扱いの違いをまとめます。
カルボナーラの肉をベーコンで代用できる?部位・燻製・脂・塩気の違いから、買いやすい材料で作る時に調整したい点を整理します。
IOCは遊離酸度0.8%以下と官能パネルでエキストラバージンを定義する。一方、日本のJAS 0523:2024にあるのは「オリーブ油」と「精製オリーブ油」の2区分だけだ。発煙点をめぐる誤解、喉を刺すオレオカンタール、品種が決める辛味の幅、そして乳化。本稿で比較する既存30皿のうち22皿に入っている油を、規格・科学・レシピの三方向から追う。
カチョエペペのおろしチーズは麺100gあたり17gから50gまで、流派で3倍近く違う(ファビオ版はこれとは別にクリームチーズ50gを加えるため総量では最多)。カルボナーラ・アマトリチャーナと材料は別物でも、チーズの量・豚の脂・乳化の起点という同じ3軸で分岐しているだけだ。
記録に残る最古のイタリアのトマトは1548年10月31日、フィレンツェ郊外の農園からピサのコジモ1世へ届いた籠。パスタとトマトソースが同じ皿に載った最初の記録は1790年。マルコ・ポーロの麺は1929年にアメリカの業界誌が作った話で、サンマルツァーノは2011年時点で米国市場の推定95%が非正規品。トマトという素材を、出典の残っている事実だけで縦に貫く。