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ナポリ風ラグーのジーティ

ナポリ・カンパーニア · No.37 / 103

ナポリ風ラグーのジーティ

Ragù napoletano, 3 ways

牛と豚の大きな塊肉(ときに詰め物入りのブラチョーレ)を、パッサータと水だけで3〜8時間とろ火にかけ続ける肉ソース。ボロネーゼが挽き肉を炒めて短時間で仕上げるのに対し、こちらは塊肉をほぼ沸騰させずに『ピッピアーレ(ぴくぴく言わせる)』のが本質で、ソースだけを一番皿のパスタに、肉は二番皿として別に出す流儀と、肉ごとソースを煮詰めて一皿にする流儀に分かれる。

作り手のレシピから選ぶ

各カードは元動画またはレシピ記事へつながります。流派をそのままビルダーに入れることもできます

レシピ記事が出典(動画なし)

コスティーネ・ビアンコスタート・サルシッチャ・ブラチョーレの4種混合

  • ブラチョーレ(詰め肉ロール)とコテンナ巻きを含む肉4〜5種を同じ鍋で段階的に焼き付ける構成
  • 『tirare(引っ張る)→rosolare(トマトを焦がし色に炒める)→pippiare(ぴくぴく言わせる)』の3〜4段階として工程を明確に言語化し、pippiareの語をエドゥアルド・デ・フィリッポ(劇作家)の表現として引用
  • 名称の由来をフランス語ragoût(長時間煮込んでソースを添える肉料理)と明記し、14世紀貴族伝説には触れない史実寄りの説明
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本人の発言
  • Il ragù napoletano consta di 3 fasi, anche 4 se volete, così distribuite: la prima fase consiste nel “tirare”, cioè lasciando consumare la cipolla (e il lardo, se preferite aggiungerlo) insieme al vino. La seconda invece bisogna far rosolare il pomodoro e la terza riguarda il “pippiare” del sugo, come descrisse Eduardo De Filippo. 出典
  • Il ragù alla napoletana prende il nome dal termine francese ragoût, che sta ad indicare una preparazione a base di carne e servita con un sugo d’accompagnamento, che generalmente ha tempi molto lunghi di cottura. 出典

参照: [1]

レシピ記事が出典(動画なし)

豚スペアリブ+牛チャック+豚肩を300°Fのオーブンで3時間、肉は外して仕上げる

  • 『肉をソースに残したまま出すイタリア系アメリカ風サンデーグレイビーと違い、本場では肉をソースから外して別皿か次の一皿として出すのが一般的』と明記
  • involtini(ブラチョーレ)は本場でよく見る要素と認めつつ、手間と食材調達の壁を理由に意図的に省略
  • 肉を取り出した後にソースだけをさらに1時間煮詰めて色と濃度を上げる二段仕上げ構成
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本人の発言
  • While you can serve this ragù like an Italian-American Sunday gravy, in which the meat is left in the sauce and served on the pasta, it's more common in Italy to remove the meat from the sauce and serve it alongside the pasta or as a subsequent course. 出典
  • In Italy, it's common to find other meaty additions to this ragù, including various involtini (meat rolled around various stuffings like herbs and/or cheese), but that's a bit more work and hard to find premade in the States. 出典

参照: [1]

仔牛と豚の部位9種+詰め物3種、12人分のプロ仕様

  • 仔牛・豚の部位を9種類使い分け、ブラチョーレ・コテンナ巻き・胸先の詰め物と3種類の詰め物を作り込む12人分のプロ仕様レシピ
  • トマトはピッツテッロ種パッサータ5kgとダッテリーノ種濃縮トマト200gの2種を使い分ける
  • 同じくソレンティーノが手掛ける『ナポリ風ラザニア』と仕込みを共有する姉妹編として動画内でリンクされている
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本人の発言
  • 'o Rraù anche detto ragù alla napoletana è un'antica ricetta campana, di lunga preparazione e ricchissima di ingredienti. Antonio Sorrentino presenta la sua versione di questo piatto ideale per le domeniche in famiglia. 出典
  • Ingredienti per 12 persone. Le carni: 250 g Muscolo o piccione di vitello; 250 g Muscolo o gallinella di maiale; 250 g Locena o coppa di maiale; 500 g Salsiccia di maiale a punta di coltello; 500 g Tracchie o puntine di maiale; 250 g Coperta di Costata di vitello o copertina di vitellone; 300 g Punta di petto di vitello; 200 g Cotica o cotenna di maiale; 200 g Fettina di spalla di vitellone. 出典

参照: [1] [2]

10軸で横断比較

数値は各動画・レシピ記事の表現をそのまま転記

AXIS GialloZafferano J. Kenji López-Alt Italia Squisita
合わせるパスタ パコッケリ/ジーティ/タリアテッレ等(分量記載なし)生パスタ/乾麺、表示より短く茹で・茹で汁約237ml取り分け記載なし(本編は肉とソースの仕込みが中心)
肉の構成(部位・種類) コスティーネ(豚あばら)400g+ビアンコスタート(牛)500g+サルシッチャ・ナポレターナ500g+コテンナ(豚皮)150g豚スペアリブ900g+骨なし牛チャック900g+骨なし豚肩ロース900g+マイルドイタリアンソーセージ454g仔牛の筋肉/ピッチョーネ250g・豚の筋肉/ガッリネッラ250g・豚ロチェーナ/コッパ250g・豚サルシッチャ500g・豚トラッキエ500g・仔牛コステータ肩肉250g・仔牛胸先300g・豚コテンナ200g・仔牛肩肉200g(12人分)
ブラチョーレ(詰め肉ロール) スカモーネ牛肉4枚(400g)にペコリーノ30g・レーズン20g・松の実10g・ニンニク1片・パセリを巻く使わない(本人談:手間がかかり米国では下ごしらえ済みの詰め肉が入手しづらいため省略)牛肩肉ブラチョーレはパンチェッタ50g・ニンニク・ペコリーノ30g・レーズンと松の実・バジル/パセリを巻き込む。コテンナ巻きはパンチェッタ抜きで同じ詰め物、胸先には別途パン・卵・パルミジャーノの詰め物
脂・炒め油 エキストラバージンオリーブ油60gエキストラバージンオリーブ油大さじ2+残りを仕上げに追加エキストラバージンオリーブ油200g+スンニャ(豚脂)100g
トマト パッサータ・ディ・ポモドーロ2L+すすぎ水2Lトマトペースト170g缶を先にキャラメリゼ→ホールトマト缶2缶(できればDOPサンマルツァーノ)パッサータ・ディ・ポモドーロ(ピッツテッロ種)5kg+濃縮トマト(ダッテリーノ種)200g
ワイン 赤ワイン70g(白でも可、赤の方がコクが出るとQ&Aで明言)辛口赤ワイン473mlアリアニコ種赤ワイン(分量QB)
煮込み時間・火加減 ごく弱火で4時間、時々かき混ぜる150°C(300°F)のオーブンで蓋を少しずらして約3時間→ソーセージ追加30分→肉を外してソースをさらに1時間煮詰める記載なし
食べ方(一番皿と二番皿) パコッケリ等にソースを絡め、肉(ブラチョーレ等)は取り分けて主菜として出す想定肉を外してソースだけをさらに煮詰め、パスタは半量のソースと和える。肉は皿に盛って添えるか次の一皿として提供記載なし
仕上げ 塩のみで調味、前日仕込みも推奨残りのオリーブ油・塩コショウ・パルミジャーノ・バジル塩・胡椒QB(詳細記載なし)
所要時間 準備20分+煮込み4時間20分アクティブ45分+冷却20分+合計約6時間5分記載なし
出典の確認 一部未確認一部未確認一部未確認
GialloZafferano コスティーネ・ビアンコスタート・サルシッチャ・ブラチョーレの4種混合
合わせるパスタ
パコッケリ/ジーティ/タリアテッレ等(分量記載なし)
肉の構成(部位・種類)
コスティーネ(豚あばら)400g+ビアンコスタート(牛)500g+サルシッチャ・ナポレターナ500g+コテンナ(豚皮)150g
ブラチョーレ(詰め肉ロール)
スカモーネ牛肉4枚(400g)にペコリーノ30g・レーズン20g・松の実10g・ニンニク1片・パセリを巻く
脂・炒め油
エキストラバージンオリーブ油60g
トマト
パッサータ・ディ・ポモドーロ2L+すすぎ水2L
ワイン
赤ワイン70g(白でも可、赤の方がコクが出るとQ&Aで明言)
煮込み時間・火加減
ごく弱火で4時間、時々かき混ぜる
食べ方(一番皿と二番皿)
パコッケリ等にソースを絡め、肉(ブラチョーレ等)は取り分けて主菜として出す想定
仕上げ
塩のみで調味、前日仕込みも推奨
所要時間
準備20分+煮込み4時間20分
出典
一部未確認
J. Kenji López-Alt 豚スペアリブ+牛チャック+豚肩を300°Fのオーブンで3時間、肉は外して仕上げる
合わせるパスタ
生パスタ/乾麺、表示より短く茹で・茹で汁約237ml取り分け
肉の構成(部位・種類)
豚スペアリブ900g+骨なし牛チャック900g+骨なし豚肩ロース900g+マイルドイタリアンソーセージ454g
ブラチョーレ(詰め肉ロール)
使わない(本人談:手間がかかり米国では下ごしらえ済みの詰め肉が入手しづらいため省略)
脂・炒め油
エキストラバージンオリーブ油大さじ2+残りを仕上げに追加
トマト
トマトペースト170g缶を先にキャラメリゼ→ホールトマト缶2缶(できればDOPサンマルツァーノ)
ワイン
辛口赤ワイン473ml
煮込み時間・火加減
150°C(300°F)のオーブンで蓋を少しずらして約3時間→ソーセージ追加30分→肉を外してソースをさらに1時間煮詰める
食べ方(一番皿と二番皿)
肉を外してソースだけをさらに煮詰め、パスタは半量のソースと和える。肉は皿に盛って添えるか次の一皿として提供
仕上げ
残りのオリーブ油・塩コショウ・パルミジャーノ・バジル
所要時間
アクティブ45分+冷却20分+合計約6時間5分
出典
一部未確認
Italia Squisita 仔牛と豚の部位9種+詰め物3種、12人分のプロ仕様
合わせるパスタ
記載なし(本編は肉とソースの仕込みが中心)
肉の構成(部位・種類)
仔牛の筋肉/ピッチョーネ250g・豚の筋肉/ガッリネッラ250g・豚ロチェーナ/コッパ250g・豚サルシッチャ500g・豚トラッキエ500g・仔牛コステータ肩肉250g・仔牛胸先300g・豚コテンナ200g・仔牛肩肉200g(12人分)
ブラチョーレ(詰め肉ロール)
牛肩肉ブラチョーレはパンチェッタ50g・ニンニク・ペコリーノ30g・レーズンと松の実・バジル/パセリを巻き込む。コテンナ巻きはパンチェッタ抜きで同じ詰め物、胸先には別途パン・卵・パルミジャーノの詰め物
脂・炒め油
エキストラバージンオリーブ油200g+スンニャ(豚脂)100g
トマト
パッサータ・ディ・ポモドーロ(ピッツテッロ種)5kg+濃縮トマト(ダッテリーノ種)200g
ワイン
アリアニコ種赤ワイン(分量QB)
煮込み時間・火加減
記載なし
食べ方(一番皿と二番皿)
記載なし
仕上げ
塩・胡椒QB(詳細記載なし)
所要時間
記載なし
出典
一部未確認

工程を組み替えてみる(任意)

URLに選択が残るので、そのまま共有できます

1 麺と茹で 麺の銘柄・太さ・塩分・湯量・茹で時間
2 ベース 油脂・主素材の扱い(脂を出す・香りを出す)
3 ソースと乳化 和える場所・火加減・茹で汁の量
4 仕上げ チーズ・胡椒・追い油・盛り付け

流派マップ:どこで温度を作るか

ナポリ風ラグーのジーティの分岐点は乳化と加熱の方式

直火で和える

フライパンを火にかけたまま手で温度を作る。速いが、手の感覚が要る。

  • 該当する流派なし

間接熱で温度管理

湯煎・蒸気・二重鍋・ハンドミキサー。再現性が高い代わりに一手間。

  • 該当する流派なし

火を止めて余熱で

火を切ってから、あるいはボウルで麺の熱だけで乳化させる。失敗しにくい。

所要時間2流派の実値。同じ値は縦に重ねています
17分24.8分32.5分40.3分48分GialloZafferano: 準備20分+煮込み4時間20分GJ. Kenji López-Alt: アクティブ45分+冷却20分+合計約6時間5分JK

この後に出す一皿

イタリアの献立では primo(パスタ)の後に secondo(主菜)が来ます

ナポリ・カンパーニア 75 min

ポルペッテ・アル・スーゴ

Polpette al sugo

牛豚合い挽き肉に松の実とレーズンを包み込んで丸め、小麦粉をまぶして揚げてからトマトソースで煮込むナポリの家庭料理。松の実とレーズンを忍ばせるのがナポリ版の特徴で、肉を煮込んだソースはそのままパスタの和え衣にも使われる。

合うパスタ:ナポリ風ラグーのジーティ / ジーティ・アラ・ジェノヴェーゼ(ナポリ風) / スパゲッティー・プッタネスカ

ポルペッテを煮込んだソースはそのままパスタの和え衣に使われる。同系統のナポリのトマト肉ソースをプリモに置き、肉そのものはセコンドとして後に出す土地の型に沿う。

この皿で使う道具と食材

調理に使う道具と、この皿に合う食材の購入候補です。

ナポリ風ラグーのジーティの蘊蓄

食材

乾燥は8〜10日から2〜3時間になった:デュラム小麦とブロンズダイスと、乾麺の100年

イタリアの法律は「pasta di semola di grano duro」の名乗りを、デュラム小麦のセモリナと水だけに限る。グラニャーノIGPは乾燥を40〜85°C・4〜60時間で縛る。日本のJASは7,840kPa以上で押し出せと書く。番手・ダイス・乾燥温度という3つの変数が、皿の上でソースが絡むかどうかを決めている。

食材

日本の規格に「エキストラバージン」という等級は存在しない

IOCは遊離酸度0.8%以下と官能パネルでエキストラバージンを定義する。一方、日本のJAS 0523:2024にあるのは「オリーブ油」と「精製オリーブ油」の2区分だけだ。発煙点をめぐる誤解、喉を刺すオレオカンタール、品種が決める辛味の幅、そして乳化。本稿で比較する既存30皿のうち22皿に入っている油を、規格・科学・レシピの三方向から追う。

食材

イタリアにトマトが着いてから、パスタに乗るまで242年かかった

記録に残る最古のイタリアのトマトは1548年10月31日、フィレンツェ郊外の農園からピサのコジモ1世へ届いた籠。パスタとトマトソースが同じ皿に載った最初の記録は1790年。マルコ・ポーロの麺は1929年にアメリカの業界誌が作った話で、サンマルツァーノは2011年時点で米国市場の推定95%が非正規品。トマトという素材を、出典の残っている事実だけで縦に貫く。