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タリアテッレ・アラ・ボロネーゼ

エミリア・ロマーニャ · No.03 / 103

タリアテッレ・アラ・ボロネーゼ

Ragù alla bolognese, 8 ways

肉を炒めて煮込む時間の料理。挽き肉の焼き方、ワインと牛乳、煮込み時間で流派が分かれる。

このパスタを動画で作る

作り手の公式動画で、手順や仕上がりを見てみよう。

George ジョージ吉田【もうひき肉に戻れない】ステーキ肉のボロネーゼYouTubeで見る ↗

作り手のレシピから選ぶ

各カードは元動画またはレシピ記事へつながります。流派をそのままビルダーに入れることもできます

合いびき250gをステーキのように焼き、香味野菜は最低限、45分

  • 『ボロネーゼはソースじゃない、肉料理だ』と肉主役を宣言
  • 香味野菜を最低限にする(人参・セロリなし)
  • 『ミートソースではない』と本人が区別を明言
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本人の発言
  • 『至高を越えたボロネーゼ』は『あえてフライパンひとつで作り、肉の旨みをパスタに吸わせた』設計 出典

参照: [1] [2]

肉を赤ワインで30分マリネ、焼いて大きく切り戻す。手打ちタリアテッレ

  • ひき肉を赤ワインでマリネしてから焼く独自工程
  • 焼いた肉を崩さず大きくカットして戻す肉塊感
  • 肉醤5ccを隠し味に
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本人の発言
  • 肉塊感を出すため、焼いた肉は崩さず大きくカットして後から戻す 出典
  • パスタ湯は塩1%、タリアテッレは4分茹で 出典

参照: [1]

トマトを使わない白いボロネーゼ。小麦粉をまぶした牛ひき肉を白ワインと水で20〜30分

  • トマトを使わない『ラグー・ビアンコ』
  • ひき肉に小麦粉をまぶしてから炒める
  • 生ハム/パンチェッタを『だし』と位置づけ、鶏がらスープの素で代替可
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本人の発言
  • 生ハム/パンチェッタは『だしの役割』なので、なければ鶏がらスープの素でもよい 出典

参照: [1]

牛ひき肉300gを塊で焼き付け、香味野菜1:1:1、砂糖10g、自家製生パスタ

  • 香味野菜の比率1:1:1を明記
  • 牛ひき肉を塊のまま焼き付ける(ファビオと同じ肉塊志向)
  • 粉の配合で生パスタの食感を設計する解説
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本人の発言
  • 野菜(玉ねぎ・人参・セロリ)の分量比は1:1:1が推奨 出典
  • 牛ひき肉は塊のまま焼き付けると香ばしさが出る 出典

参照: [1]

レシピ記事が出典(動画なし)

肉は焼きつけ、野菜は甘みを出す。赤ワインでこそげて20〜30分

  • 『肉は焼きつけるように、野菜は甘みを出すように』と役割を分離
  • 赤ワインでのデグラッセを明示
  • 湯量・塩1%・早上げ、と茹での基本を数値化
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本人の発言
  • 肉は焼きつけるように、野菜は甘みを出すようにじっくりいためる 出典

参照: [1]

牛豚1kg・パンチェッタ150g、蓋あり3時間+蓋なし1時間、全乳で仕上げ

  • 『重要工程』6点を列挙(ソフリットを色づけない/パンチェッタ先行/肉に濃い焼き色をつけない/ワインを完全に飛ばす/蓋あり3時間+蓋なし1時間/全乳で仕上げ)
  • スパゲッティ・ボロネーゼはボローニャでは出されない、と平打ち卵パスタを正しいとする
  • 4〜6時間規模の長時間煮込みで本場再現の権威性を打ち出す
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本人の発言
  • 牛乳はトマトの酸味を和らげ、なめらかな口当たりを与える。これは伝統的である(ただし『任意』とも明記) 出典

参照: [1] [2] [3]

レシピ記事が出典(動画なし)

牛豚各450g・生パンチェッタ、牛乳は不要、加水は½カップだけで2.5〜3時間

  • 1891年アルトゥージの最初の書き起こしレシピはトマトをほぼ含まなかった、と史料を明示
  • 牛乳不要論を『肉質の変化』で説明
  • 2023年4月のイタリア料理アカデミーの公式レシピ更新と一致すると主張
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本人の発言
  • 1891年アルトゥージの最初の書き起こしレシピはトマトをほぼ含まなかった 出典
  • ボローニャでは誰もラグーをスパゲッティで出そうとは考えない。最良は生の卵パスタ、とりわけタリアテッレ 出典

参照: [1]

牛豚羊3種、ゼラチン入りストック、鶏レバーのピュレ、オーブン149℃で3〜4時間

  • 粉ゼラチン大さじ3で『豪華な質感』を作る
  • 鶏レバーのピュレとフィッシュソースで旨味を人工的に組み立てる
  • 羊肉を配合する唯一のレシピ。『焼き色をつけない』が焼き付け派と逆
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本人の発言
  • 粉ゼラチンを使うことでソースに『豪華な質感(luxurious texture)』を与えられる 出典
  • ブレンダーにかけた鶏レバーを混ぜ込むことで下支えとなる土っぽい肉の旨味を加える 出典

参照: [1] [2]

11軸で横断比較

数値は各動画・レシピ記事の表現をそのまま転記

AXIS リュウジ ファビオ 小倉知巳 Chef Ropia(小林諭史) 日髙良実 Vincenzo's Plate Pasta Grammar J. Kenji López-Alt
麺・分量・茹で スパゲッティ1.8mm 100g手打ちタリアテッレ・4分1.9mm 70g・11分自家製生パスタ 7〜8mm幅・2分1.6mm 160g/2人・表示−1〜2分タリアテッレ等の卵パスタ生タリアテッレ指定なし
茹で湯の塩 記載なし1%1.5%記載なし1%(1Lに10g)適量適量記載なし
肉の種類と焼き方 牛豚合いびき250g+ベーコン50g・ステーキのように焼くひき肉300g・赤ワインでマリネ→焼いて大きく切る牛ひき肉150g(小麦粉をまぶす)+生ハム/パンチェッタ牛ひき肉300g・塊で焼き付け合いびき粗びき200g・焼きつける牛500g+豚500g+パンチェッタ150g牛450g+豚450g+生パンチェッタ20g牛・豚・羊各454g+パンチェッタ227g+鶏レバー227g
香味野菜 玉ねぎ1/2+ニンニク2片(人参・セロリなし)玉ねぎ150・セロリ100・人参50玉ねぎ120g・セロリ100g玉ねぎ・人参・セロリ 1:1:1玉ねぎ・人参・セロリ各1/2(弱火10〜15分)セロリ2・人参2・玉ねぎ大1(潰さない)人参大1/4・玉ねぎ大1/4・セロリ1玉ねぎ大1・人参2・セロリ4・にんにく4・セージ
ワイン・牛乳 赤ワイン200cc(牛乳なし)赤ワイン300cc(マリネ兼用)白ワイン+水(牛乳なし)赤ワイン90cc(牛乳なし)赤ワインカップ1/3(牛乳なし)赤ワイン1カップ+全乳1カップワイン235ml(白でも赤でも)・牛乳なしワイン2カップ+ゼラチン入りストック1L+全乳+生クリーム
トマト ホールトマト1/2缶パッサータ100ccなしトマト缶1缶+砂糖10gトマト水煮カップ2(こす)ペースト大2+パッサータ500ml+ホール800gペースト大2+ホール800gホール800g(ブレンダー)
煮込み時間 水分が減るまで(全体45分)記載なし弱火20〜30分全体60分20〜30分蓋あり3時間+蓋なし1時間2.5〜3時間以上オーブン149℃・蓋なし3〜4時間
和え方 バター5g+粉チーズ+茹で汁茹で汁+ミネラルウォーター弱火で温め→強火で絡める絡めるのみ和えるのみ全乳で仕上げ煮込みで一体化生クリーム+パルメザンで最後に
火加減 中火〜強火で焼き付け焼いて取り出し、戻す中火→弱火→強火焼き付け→デグレーズ軽く煮立つくらい中弱火→中火→中強火→弱火弱火焼き色をつけない
仕上げ 粉チーズ任意パルミジャーノ10g・EXオイルオイル・パルミジャーノ・黒胡椒パルミジャーノパルメザン全乳・パルミジャーノなし(ナツメグ)フィッシュソース大2・パルメザン85g
所要時間 45分記載なし50分60分30分4.5〜5.75時間3〜4時間約5時間
出典の確認 出典確認済一部未確認出典確認済出典確認済一部未確認一部未確認一部未確認一部未確認
リュウジ 合いびき250gをステーキのように焼き、香味野菜は最低限、45分
麺・分量・茹で
スパゲッティ1.8mm 100g
茹で湯の塩
記載なし
肉の種類と焼き方
牛豚合いびき250g+ベーコン50g・ステーキのように焼く
香味野菜
玉ねぎ1/2+ニンニク2片(人参・セロリなし)
ワイン・牛乳
赤ワイン200cc(牛乳なし)
トマト
ホールトマト1/2缶
煮込み時間
水分が減るまで(全体45分)
和え方
バター5g+粉チーズ+茹で汁
火加減
中火〜強火で焼き付け
仕上げ
粉チーズ任意
所要時間
45分
出典
出典確認済
ファビオ 肉を赤ワインで30分マリネ、焼いて大きく切り戻す。手打ちタリアテッレ
麺・分量・茹で
手打ちタリアテッレ・4分
茹で湯の塩
1%
肉の種類と焼き方
ひき肉300g・赤ワインでマリネ→焼いて大きく切る
香味野菜
玉ねぎ150・セロリ100・人参50
ワイン・牛乳
赤ワイン300cc(マリネ兼用)
トマト
パッサータ100cc
煮込み時間
記載なし
和え方
茹で汁+ミネラルウォーター
火加減
焼いて取り出し、戻す
仕上げ
パルミジャーノ10g・EXオイル
所要時間
記載なし
出典
一部未確認
小倉知巳 トマトを使わない白いボロネーゼ。小麦粉をまぶした牛ひき肉を白ワインと水で20〜30分
麺・分量・茹で
1.9mm 70g・11分
茹で湯の塩
1.5%
肉の種類と焼き方
牛ひき肉150g(小麦粉をまぶす)+生ハム/パンチェッタ
香味野菜
玉ねぎ120g・セロリ100g
ワイン・牛乳
白ワイン+水(牛乳なし)
トマト
なし
煮込み時間
弱火20〜30分
和え方
弱火で温め→強火で絡める
火加減
中火→弱火→強火
仕上げ
オイル・パルミジャーノ・黒胡椒
所要時間
50分
出典
出典確認済
Chef Ropia(小林諭史) 牛ひき肉300gを塊で焼き付け、香味野菜1:1:1、砂糖10g、自家製生パスタ
麺・分量・茹で
自家製生パスタ 7〜8mm幅・2分
茹で湯の塩
記載なし
肉の種類と焼き方
牛ひき肉300g・塊で焼き付け
香味野菜
玉ねぎ・人参・セロリ 1:1:1
ワイン・牛乳
赤ワイン90cc(牛乳なし)
トマト
トマト缶1缶+砂糖10g
煮込み時間
全体60分
和え方
絡めるのみ
火加減
焼き付け→デグレーズ
仕上げ
パルミジャーノ
所要時間
60分
出典
出典確認済
日髙良実 肉は焼きつけ、野菜は甘みを出す。赤ワインでこそげて20〜30分
麺・分量・茹で
1.6mm 160g/2人・表示−1〜2分
茹で湯の塩
1%(1Lに10g)
肉の種類と焼き方
合いびき粗びき200g・焼きつける
香味野菜
玉ねぎ・人参・セロリ各1/2(弱火10〜15分)
ワイン・牛乳
赤ワインカップ1/3(牛乳なし)
トマト
トマト水煮カップ2(こす)
煮込み時間
20〜30分
和え方
和えるのみ
火加減
軽く煮立つくらい
仕上げ
パルメザン
所要時間
30分
出典
一部未確認
Vincenzo's Plate 牛豚1kg・パンチェッタ150g、蓋あり3時間+蓋なし1時間、全乳で仕上げ
麺・分量・茹で
タリアテッレ等の卵パスタ
茹で湯の塩
適量
肉の種類と焼き方
牛500g+豚500g+パンチェッタ150g
香味野菜
セロリ2・人参2・玉ねぎ大1(潰さない)
ワイン・牛乳
赤ワイン1カップ+全乳1カップ
トマト
ペースト大2+パッサータ500ml+ホール800g
煮込み時間
蓋あり3時間+蓋なし1時間
和え方
全乳で仕上げ
火加減
中弱火→中火→中強火→弱火
仕上げ
全乳・パルミジャーノ
所要時間
4.5〜5.75時間
出典
一部未確認
Pasta Grammar 牛豚各450g・生パンチェッタ、牛乳は不要、加水は½カップだけで2.5〜3時間
麺・分量・茹で
生タリアテッレ
茹で湯の塩
適量
肉の種類と焼き方
牛450g+豚450g+生パンチェッタ20g
香味野菜
人参大1/4・玉ねぎ大1/4・セロリ1
ワイン・牛乳
ワイン235ml(白でも赤でも)・牛乳なし
トマト
ペースト大2+ホール800g
煮込み時間
2.5〜3時間以上
和え方
煮込みで一体化
火加減
弱火
仕上げ
なし(ナツメグ)
所要時間
3〜4時間
出典
一部未確認
J. Kenji López-Alt 牛豚羊3種、ゼラチン入りストック、鶏レバーのピュレ、オーブン149℃で3〜4時間
麺・分量・茹で
指定なし
茹で湯の塩
記載なし
肉の種類と焼き方
牛・豚・羊各454g+パンチェッタ227g+鶏レバー227g
香味野菜
玉ねぎ大1・人参2・セロリ4・にんにく4・セージ
ワイン・牛乳
ワイン2カップ+ゼラチン入りストック1L+全乳+生クリーム
トマト
ホール800g(ブレンダー)
煮込み時間
オーブン149℃・蓋なし3〜4時間
和え方
生クリーム+パルメザンで最後に
火加減
焼き色をつけない
仕上げ
フィッシュソース大2・パルメザン85g
所要時間
約5時間
出典
一部未確認

工程を組み替えてみる(任意)

URLに選択が残るので、そのまま共有できます

1 麺と茹で 麺の銘柄・太さ・塩分・湯量・茹で時間
2 ベース 油脂・主素材の扱い(脂を出す・香りを出す)
3 ソースと乳化 和える場所・火加減・茹で汁の量
4 仕上げ チーズ・胡椒・追い油・盛り付け

流派マップ:どこで温度を作るか

タリアテッレ・アラ・ボロネーゼの分岐点は乳化と加熱の方式

直火で和える

フライパンを火にかけたまま手で温度を作る。速いが、手の感覚が要る。

  • 該当する流派なし

間接熱で温度管理

湯煎・蒸気・二重鍋・ハンドミキサー。再現性が高い代わりに一手間。

  • 該当する流派なし

火を止めて余熱で

火を切ってから、あるいはボウルで麺の熱だけで乳化させる。失敗しにくい。

茹で湯の塩分3流派の実値。同じ値は縦に重ねています
0.9%1.1%1.3%1.4%1.6%ファビオ: 1%F日髙良実: 1%(1Lに10g)YH小倉知巳: 1.5%TO
所要時間4流派の実値。同じ値は縦に重ねています
26.4分35.7分45分54.3分63.6分日髙良実: 30分YHリュウジ: 45分R小倉知巳: 50分TOChef Ropia(小林諭史): 60分CR
麺の太さ3流派の実値。同じ値は縦に重ねています
1.6mm1.7mm1.8mm1.8mm1.9mm日髙良実: 1.6mm 160g/2人・表示−1〜2分YHリュウジ: スパゲッティ1.8mm 100gR小倉知巳: 1.9mm 70g・11分TO

この皿で使う道具と食材

調理に使う道具と、この皿に合う食材の購入候補です。

タリアテッレ・アラ・ボロネーゼの蘊蓄

食材

日本の規格に「エキストラバージン」という等級は存在しない

IOCは遊離酸度0.8%以下と官能パネルでエキストラバージンを定義する。一方、日本のJAS 0523:2024にあるのは「オリーブ油」と「精製オリーブ油」の2区分だけだ。発煙点をめぐる誤解、喉を刺すオレオカンタール、品種が決める辛味の幅、そして乳化。本稿で比較する既存30皿のうち22皿に入っている油を、規格・科学・レシピの三方向から追う。

食材

イタリアにトマトが着いてから、パスタに乗るまで242年かかった

記録に残る最古のイタリアのトマトは1548年10月31日、フィレンツェ郊外の農園からピサのコジモ1世へ届いた籠。パスタとトマトソースが同じ皿に載った最初の記録は1790年。マルコ・ポーロの麺は1929年にアメリカの業界誌が作った話で、サンマルツァーノは2011年時点で米国市場の推定95%が非正規品。トマトという素材を、出典の残っている事実だけで縦に貫く。