アメリカ · No.42 / 103
ペンネ・アラ・ウォッカ
Penne alla Vodka, 4 ways
トマト・生クリーム・ウォッカを合わせたピンク色のソースのパスタ。イタリア発祥説とニューヨークのイタリア系レストラン発祥説が今も対立しており、流派が割れるのは豚肉の種類(パンチェッタ/グアンチャーレ/プロシュート/不使用)とチーズ・唐辛子の有無、クリームを入れるタイミング。
作り手のレシピから選ぶ
各カードは元動画またはレシピ記事へつながります。流派をそのままビルダーに入れることもできます
グアンチャーレ+コチュジャン、ウォッカはデグラッセ用の大さじ1だけ
- グアンチャーレ+コチュジャン+トマトペーストで韓国風の旨味と辛味を足す唯一の流派
- ウォッカは大さじ1のみで、香りづけというより鍋底の旨味をこそげ落とす『デグラッセ』としての役割に限定
- 火を止めてからペコリーノと冷たいバターを勢いよく混ぜ込む、乳化を意識した仕上げ(マンテカーレ)
本人の発言
- The key to Joshua Weissman's spicy vodka pasta recipe is breaking the rules with a fat dollop of spicy, salty and sweet gochujang. 出典
参照: [1]
玉ねぎ+スモークパンチェッタのみ、チーズも唐辛子も使わない最小構成
- 4流派の中で唯一チーズを一切使わない、イタリアの家庭料理としての素の構成
- ニンニクも唐辛子も使わず、玉ねぎ・パンチェッタ・トマト・クリーム・ウォッカだけの最小構成
- 公式サイトの構造化データ(schema.org Recipe)で分量・時間まで明記された一次情報として照合しやすい
本人の発言
- Penne alla vodka is an iconic 1980s pasta dish: cream, tomato, and bacon for a simple and creamy sauce! 出典
参照: [1]
10軸で横断比較
数値は各動画・レシピ記事の表現をそのまま転記
| AXIS | Vincenzo's Plate | Not Another Cooking Show | Joshua Weissman | GialloZafferano |
|---|---|---|---|---|
| 麺・分量・茹で | ペンネ・リガーテ300g(2人分)・湯5L | ペンネ454g(1lb) | リガトーニ454g(乾麺/自家製可) | ペンネ・リガーテ320g(4人分) |
| 豚肉の種類・扱い | パンチェッタ/ベーコン200g・脂身を残して細切り | プロシュート約113g(省略も可) | グアンチャーレ114g・3mm角 | スモークパンチェッタ200g・角切り |
| ニンニクの有無 | 不使用(パンチェッタの下味で足りるという立場) | 薄切り3片・プロシュートがカリッとする瞬間に投入 | 薄切り5片 | 不使用(玉ねぎ1個のみ) |
| 唐辛子・辛味 | 記載なし | レッドペッパーフレーク小さじ1 | 赤フレスノ唐辛子2本+コチュジャン大さじ3 | 記載なし |
| トマトの種類・下処理 | ホールトマト缶2缶(800g)・手で優しく潰す | ホールトマト缶1個をフードミル/ブレンダーでピュレ | トマトペースト1カップ(256g) | トマトピュレ1カップ(250g) |
| ウォッカの量・投入タイミング | 100mL・パンチェッタの鍋で2〜3分煮る | 大さじ3〜4・火を止めて加え、再点火して煮詰める二段階 | 大さじ1・水と共にデグラッセのみ | 120g(4.25oz)・中火でアルコールを飛ばす |
| 生クリームの量・タイミング | クッキングクリーム200g・色がピンクになるまで少量ずつ | 3/4カップ・トマトが煮詰まりきってから追加 | ヘビークリーム1.5カップ・ペースト煮詰め後に加え1〜2分 | 生クリーム0.67カップ(150g)・トマトを10分煮た後に追加 |
| チーズ | ペコリーノ・ロマーノ大さじ3・仕上げのみ | パルミジャーノ1/2カップ・仕上げに | ペコリーノ3/4カップ・火を止めてバターと乳化 | 不使用 |
| 仕上げ | 茹で汁半マグで和え、ペコリーノを振る | 冷たいバター大さじ1〜2を溶かし込む、パセリ | 冷たいバター大さじ2でマンテカーレ、パルミジャーノ・黒胡椒 | 刻みパセリのみ |
| 所要時間 | 約20分 | 記載なし | 約30分 | 25分(下準備5分+調理20分) |
| 出典の確認 | 出典確認済 | 一部未確認 | 出典確認済 | 一部未確認 |
Vincenzo's Plate ニンニク不使用、パンチェッタとクリームは控えめに少量ずつ
- 麺・分量・茹で
- ペンネ・リガーテ300g(2人分)・湯5L
- 豚肉の種類・扱い
- パンチェッタ/ベーコン200g・脂身を残して細切り
- ニンニクの有無
- 不使用(パンチェッタの下味で足りるという立場)
- 唐辛子・辛味
- 記載なし
- トマトの種類・下処理
- ホールトマト缶2缶(800g)・手で優しく潰す
- ウォッカの量・投入タイミング
- 100mL・パンチェッタの鍋で2〜3分煮る
- 生クリームの量・タイミング
- クッキングクリーム200g・色がピンクになるまで少量ずつ
- チーズ
- ペコリーノ・ロマーノ大さじ3・仕上げのみ
- 仕上げ
- 茹で汁半マグで和え、ペコリーノを振る
- 所要時間
- 約20分
- 出典
- 出典確認済
Not Another Cooking Show パンチェッタでなくプロシュート、ウォッカは2段階、仕上げにバターモンテ
- 麺・分量・茹で
- ペンネ454g(1lb)
- 豚肉の種類・扱い
- プロシュート約113g(省略も可)
- ニンニクの有無
- 薄切り3片・プロシュートがカリッとする瞬間に投入
- 唐辛子・辛味
- レッドペッパーフレーク小さじ1
- トマトの種類・下処理
- ホールトマト缶1個をフードミル/ブレンダーでピュレ
- ウォッカの量・投入タイミング
- 大さじ3〜4・火を止めて加え、再点火して煮詰める二段階
- 生クリームの量・タイミング
- 3/4カップ・トマトが煮詰まりきってから追加
- チーズ
- パルミジャーノ1/2カップ・仕上げに
- 仕上げ
- 冷たいバター大さじ1〜2を溶かし込む、パセリ
- 所要時間
- 記載なし
- 出典
- 一部未確認
Joshua Weissman グアンチャーレ+コチュジャン、ウォッカはデグラッセ用の大さじ1だけ
- 麺・分量・茹で
- リガトーニ454g(乾麺/自家製可)
- 豚肉の種類・扱い
- グアンチャーレ114g・3mm角
- ニンニクの有無
- 薄切り5片
- 唐辛子・辛味
- 赤フレスノ唐辛子2本+コチュジャン大さじ3
- トマトの種類・下処理
- トマトペースト1カップ(256g)
- ウォッカの量・投入タイミング
- 大さじ1・水と共にデグラッセのみ
- 生クリームの量・タイミング
- ヘビークリーム1.5カップ・ペースト煮詰め後に加え1〜2分
- チーズ
- ペコリーノ3/4カップ・火を止めてバターと乳化
- 仕上げ
- 冷たいバター大さじ2でマンテカーレ、パルミジャーノ・黒胡椒
- 所要時間
- 約30分
- 出典
- 出典確認済
GialloZafferano 玉ねぎ+スモークパンチェッタのみ、チーズも唐辛子も使わない最小構成
- 麺・分量・茹で
- ペンネ・リガーテ320g(4人分)
- 豚肉の種類・扱い
- スモークパンチェッタ200g・角切り
- ニンニクの有無
- 不使用(玉ねぎ1個のみ)
- 唐辛子・辛味
- 記載なし
- トマトの種類・下処理
- トマトピュレ1カップ(250g)
- ウォッカの量・投入タイミング
- 120g(4.25oz)・中火でアルコールを飛ばす
- 生クリームの量・タイミング
- 生クリーム0.67カップ(150g)・トマトを10分煮た後に追加
- チーズ
- 不使用
- 仕上げ
- 刻みパセリのみ
- 所要時間
- 25分(下準備5分+調理20分)
- 出典
- 一部未確認
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流派マップ:どこで温度を作るか
ペンネ・アラ・ウォッカの分岐点は乳化と加熱の方式
直火で和える
フライパンを火にかけたまま手で温度を作る。速いが、手の感覚が要る。
間接熱で温度管理
湯煎・蒸気・二重鍋・ハンドミキサー。再現性が高い代わりに一手間。
- 該当する流派なし
火を止めて余熱で
火を切ってから、あるいはボウルで麺の熱だけで乳化させる。失敗しにくい。
- 該当する流派なし
この皿で使う道具と食材
調理に使う道具と、この皿に合う食材の購入候補です。
ペンネ・アラ・ウォッカの蘊蓄
バターは油ではない。80%が乳脂肪、16%までが水、残り2%の乳固形分が150℃で焦げる。この三つの数字が、北イタリアの鍋の中身と、ローマで生まれてアメリカで作り替えられた一皿と、日本の喫茶店のケチャップ麺までを一本の線でつないでいる。
イタリアの法律は「pasta di semola di grano duro」の名乗りを、デュラム小麦のセモリナと水だけに限る。グラニャーノIGPは乾燥を40〜85°C・4〜60時間で縛る。日本のJASは7,840kPa以上で押し出せと書く。番手・ダイス・乾燥温度という3つの変数が、皿の上でソースが絡むかどうかを決めている。
IOCは遊離酸度0.8%以下と官能パネルでエキストラバージンを定義する。一方、日本のJAS 0523:2024にあるのは「オリーブ油」と「精製オリーブ油」の2区分だけだ。発煙点をめぐる誤解、喉を刺すオレオカンタール、品種が決める辛味の幅、そして乳化。本稿で比較する既存30皿のうち22皿に入っている油を、規格・科学・レシピの三方向から追う。
記録に残る最古のイタリアのトマトは1548年10月31日、フィレンツェ郊外の農園からピサのコジモ1世へ届いた籠。パスタとトマトソースが同じ皿に載った最初の記録は1790年。マルコ・ポーロの麺は1929年にアメリカの業界誌が作った話で、サンマルツァーノは2011年時点で米国市場の推定95%が非正規品。トマトという素材を、出典の残っている事実だけで縦に貫く。