日本 · No.21 / 103
スパゲッティー・ナポリタン
Napolitan, 5 ways
日本の喫茶店で育った太麺ケチャップパスタ。茹で置き、ケチャップの煮詰め、具材の順番で「あの味」に近づく。
このパスタを動画で作る
作り手の公式動画で、手順や仕上がりを見てみよう。
Chef Ropia(小林諭史)料理人の極上【ナポリタン】もっちりコクのある作り方YouTubeで見る ↗
Chef Ropia(小林諭史)シェフの深夜飯【ナポリタン】旨味暴発の深夜に食べたいナポリタンはこちらYouTubeで見る ↗
コウケンテツ思い立ったらすぐ作れる!ケチャップで簡単コク旨!おうちナポリタンの作り方YouTubeで見る ↗
コウケンテツ【400万回再生人気レシピ】超簡単!料理研究家が本気で教える!喫茶店の味をおうちで再現する方法!絶品ナポリタンの作り方YouTubeで見る ↗
作り手のレシピから選ぶ
各カードは元動画またはレシピ記事へつながります。流派をそのままビルダーに入れることもできます
フジッリ、ケチャップでなくトマトソース、塩1.5%で茹でて『ソースを先に完成させて和える』
- 主役をフジッリに置き換える
- ケチャップでなく調理済みトマトソースをベースにする
- 塩分1.5%を明言する数少ない出典
参照: [1]
トマトジュース400mlで乾麺から煮て、焦げ付くまで煮詰めてヘラで裏返す
- トマトジュースを焦げ付くまで煮詰めて香ばしさを狙う
- 濃厚/軽いの作り分けを本人が明示
- 同チャンネルにパンチェッタ+かつお節のもう一つの『ナポリタン』がある
8軸で横断比較
数値は各動画・レシピ記事の表現をそのまま転記
| AXIS | リュウジ | ファビオ | 小倉知巳 | Chef Ropia(小林諭史) | 落合務 |
|---|---|---|---|---|---|
| 麺・分量・茹で | 100g・太め推奨・軽く湯切り | 2.2mm 90g・12分半 | フジッリ60g | 80g・下茹でなし | 1.4mm 160g/2人 |
| 茹で置き・油 | 茹で置きなし | 茹で置きなし | 茹で置きなし | なし(トマトジュースで煮る) | 茹で置きなし |
| ケチャップの扱い | 大さじ4・弱火で酸味を飛ばす | 自家製150cc・後がけで炒め合わせ | 使わない(トマトソース80g+パプリカオイル漬け) | トマトジュース400ml+ケチャップ(量なし) | 大さじ2+茹で汁大さじ2で伸ばす |
| 具材 | ウインナー3本(斜め切り)・玉ねぎ・マッシュルーム・ピーマン | ソーセージ45g・マッシュルーム3・赤玉ねぎ20g・ピーマン1・ミニトマト3 | ベーコン5切れ・新玉ねぎ・マッシュルーム・ニンニク | ウィンナー2本・玉ねぎ・マッシュルーム4個・ピーマン・唐辛子 | 玉ねぎ100g・ボンレスハム塊120g・マッシュルーム5・ピーマン2 |
| 油・バター | サラダ油小さじ2+バター10g | EXオリーブ油大さじ1+バター10g | ベーコンの脂+仕上げオリーブオイル | オリーブオイル20g | オリーブ油大さじ2+バター10g |
| 火加減 | 弱火でケチャップ→麺を焼く | ミニトマトに焼き色→炒め合わせ | 弱火 | 焦げ付くまで煮詰めて裏返す | 中火→弱火→止める |
| 仕上げ | 粉チーズ・パセリ/黒コショウ | 焼いたミニトマト | パルミジャーノ・パセリ | 粉チーズ30g・パセリ | パルメザン30g・バター |
| 所要時間 | 30分 | 記載なし | 20分 | 15分 | 15分 |
| 出典の確認 | 出典確認済 | 出典確認済 | 出典確認済 | 一部未確認 | 出典確認済 |
リュウジ 味付けはケチャップだけ。弱火で酸味を飛ばし、麺を焼いて香ばしさを出す
- 麺・分量・茹で
- 100g・太め推奨・軽く湯切り
- 茹で置き・油
- 茹で置きなし
- ケチャップの扱い
- 大さじ4・弱火で酸味を飛ばす
- 具材
- ウインナー3本(斜め切り)・玉ねぎ・マッシュルーム・ピーマン
- 油・バター
- サラダ油小さじ2+バター10g
- 火加減
- 弱火でケチャップ→麺を焼く
- 仕上げ
- 粉チーズ・パセリ/黒コショウ
- 所要時間
- 30分
- 出典
- 出典確認済
ファビオ 2.2mmを12分半茹でてもちもち、自家製ケチャップ150cc、焼きそばのように炒める
- 麺・分量・茹で
- 2.2mm 90g・12分半
- 茹で置き・油
- 茹で置きなし
- ケチャップの扱い
- 自家製150cc・後がけで炒め合わせ
- 具材
- ソーセージ45g・マッシュルーム3・赤玉ねぎ20g・ピーマン1・ミニトマト3
- 油・バター
- EXオリーブ油大さじ1+バター10g
- 火加減
- ミニトマトに焼き色→炒め合わせ
- 仕上げ
- 焼いたミニトマト
- 所要時間
- 記載なし
- 出典
- 出典確認済
小倉知巳 フジッリ、ケチャップでなくトマトソース、塩1.5%で茹でて『ソースを先に完成させて和える』
- 麺・分量・茹で
- フジッリ60g
- 茹で置き・油
- 茹で置きなし
- ケチャップの扱い
- 使わない(トマトソース80g+パプリカオイル漬け)
- 具材
- ベーコン5切れ・新玉ねぎ・マッシュルーム・ニンニク
- 油・バター
- ベーコンの脂+仕上げオリーブオイル
- 火加減
- 弱火
- 仕上げ
- パルミジャーノ・パセリ
- 所要時間
- 20分
- 出典
- 出典確認済
Chef Ropia(小林諭史) トマトジュース400mlで乾麺から煮て、焦げ付くまで煮詰めてヘラで裏返す
- 麺・分量・茹で
- 80g・下茹でなし
- 茹で置き・油
- なし(トマトジュースで煮る)
- ケチャップの扱い
- トマトジュース400ml+ケチャップ(量なし)
- 具材
- ウィンナー2本・玉ねぎ・マッシュルーム4個・ピーマン・唐辛子
- 油・バター
- オリーブオイル20g
- 火加減
- 焦げ付くまで煮詰めて裏返す
- 仕上げ
- 粉チーズ30g・パセリ
- 所要時間
- 15分
- 出典
- 一部未確認
落合務 炒めるのは具だけ。ケチャップを茹で汁で伸ばし、火を止めてパルメザンとバターで和える
- 麺・分量・茹で
- 1.4mm 160g/2人
- 茹で置き・油
- 茹で置きなし
- ケチャップの扱い
- 大さじ2+茹で汁大さじ2で伸ばす
- 具材
- 玉ねぎ100g・ボンレスハム塊120g・マッシュルーム5・ピーマン2
- 油・バター
- オリーブ油大さじ2+バター10g
- 火加減
- 中火→弱火→止める
- 仕上げ
- パルメザン30g・バター
- 所要時間
- 15分
- 出典
- 出典確認済
工程を組み替えてみる(任意)
URLに選択が残るので、そのまま共有できます
流派マップ:どこで温度を作るか
スパゲッティー・ナポリタンの分岐点は乳化と加熱の方式
直火で和える
フライパンを火にかけたまま手で温度を作る。速いが、手の感覚が要る。
間接熱で温度管理
湯煎・蒸気・二重鍋・ハンドミキサー。再現性が高い代わりに一手間。
- 該当する流派なし
火を止めて余熱で
火を切ってから、あるいはボウルで麺の熱だけで乳化させる。失敗しにくい。
この皿で使う道具と食材
調理に使う道具と、この皿に合う食材の購入候補です。
スパゲッティー・ナポリタンの蘊蓄
バターは油ではない。80%が乳脂肪、16%までが水、残り2%の乳固形分が150℃で焦げる。この三つの数字が、北イタリアの鍋の中身と、ローマで生まれてアメリカで作り替えられた一皿と、日本の喫茶店のケチャップ麺までを一本の線でつないでいる。
リュウジのカルボナーラは、ベーコンとニンニクを炒めたあとで一度火を止めてフライパンを冷ましてから卵液を入れる。試作1000回超えの末にたどり着いた工程だ。アーリオオーリオは専用の乳化操作を省き、水350ccで乾麺を直接煮るワンパン方式にしている。
イタリアの法律は「pasta di semola di grano duro」の名乗りを、デュラム小麦のセモリナと水だけに限る。グラニャーノIGPは乾燥を40〜85°C・4〜60時間で縛る。日本のJASは7,840kPa以上で押し出せと書く。番手・ダイス・乾燥温度という3つの変数が、皿の上でソースが絡むかどうかを決めている。
ファビオは麺そのものをフライパンで炒め合わせ、リュウジも麺を焼いて香ばしさを出すが、落合務は火を止めてから和えるだけで麺自体は炒めない。5流派を麺の太さ・ケチャップの扱い・炒め方で比べると、分岐点は「煮詰めて濃くするか、伸ばして軽くするか」に集約される。
横浜ホテルニューグランドの元祖ナポリタンは、生トマト・水煮トマト・トマトペーストで作るトマトソース料理だった。今の喫茶店のケチャップ味と太麺は、ホテルの一皿が人気になった後にセンターグリルなどを経て後から積み重なったものだ。
IOCは遊離酸度0.8%以下と官能パネルでエキストラバージンを定義する。一方、日本のJAS 0523:2024にあるのは「オリーブ油」と「精製オリーブ油」の2区分だけだ。発煙点をめぐる誤解、喉を刺すオレオカンタール、品種が決める辛味の幅、そして乳化。本稿で比較する既存30皿のうち22皿に入っている油を、規格・科学・レシピの三方向から追う。
1154年のシチリアには乾麺の輸出産業があり、1279年のジェノヴァの遺産目録には「マカロニでいっぱいの籠」が書かれている。トマトと出会うのは、そこから500年後。パスタの歴史を、確認できる史料だけで年表に並べ直す。
記録に残る最古のイタリアのトマトは1548年10月31日、フィレンツェ郊外の農園からピサのコジモ1世へ届いた籠。パスタとトマトソースが同じ皿に載った最初の記録は1790年。マルコ・ポーロの麺は1929年にアメリカの業界誌が作った話で、サンマルツァーノは2011年時点で米国市場の推定95%が非正規品。トマトという素材を、出典の残っている事実だけで縦に貫く。